とても40年前の作品とは思えない出来栄えです。
まったく古さを感じさせない、というよりむしろ、40年たった今でも最先端を行く名作といえます。この作品を見れば、最近の_NHK大河ドラマの底の浅さ、安易さ、陳腐さ一目瞭然となるでしょうから、「龍馬伝」「篤姫」「江」などのファンの方はご覧にならないほうがよいでしょう。
まずスタッフ・キャストの豪華さ。
監督に今井正・山本薩夫・蔵原惟繕等々、脚本に新藤兼人・早坂暁・石堂淑朗等々。
日本映画史上を飾る巨匠が、一つの作品のために結集するという、現在では想像もつかないような豪華さです。
さらにキャストでは、若き日の原田芳雄、田村正和、
今は亡き伊丹十三、天知茂、木村功、佐藤慶、丹波哲郎等々、確かな演技力を裏付けされた名優が、巨匠の演出によって生き生きと演技しています。
ただ残念ながら原作自体が未完に終わったうえ、連載中にテレビドラマ化されたことも重なって、幕末史全体を描き切っていません。ペリー来航から四国艦隊下関砲撃事件、天狗党の乱あたりまでです。ですから幕末史全体を概観したい方には不満が残るかもしれません。
大仏次郎の死後、ドラマ化されなかった部分は、全26回、30分枠のドキュメンタリー番組として製作されました。この続編はのちの「その時歴史は動いた」など歴史ドキュメンタリー番組の元祖とされる番組であり、引き続きDVD化が望まれます。