メインテーマは、第二次世界大戦において天皇と宮家が政治運営にどういう関わりを持ったか、です。
宮家のゴシップを期待して読む人には、あまり豊富なサービスはありません。
本来であれば正統と支配を支える側にいるはずの宮家が、明治〜昭和にうまく機能しなかったのはなぜか、というお話が書かれています。日本の近現代史を天皇・宮家の視点で書いた本とも言えます。
宮家に対する批判は書かれていますが、宮家の個々人に対する批判というよりは、職務と権限があいまいだとどういう弊害があるか、という観点で読めました。そういう意味では企業の組織論を想定して読むと非常に興味深い本です。
著者の解釈と、当事者の証言の線引がクリアなので読んでいてストレスがありません。テーマが天皇家といえば右翼的かとげんなりしますが、スタンスとしては冷静で右翼的でも左翼的でもなく(個人的には)信頼して読むことができました。
そもそも宮家って何?という人には(私がそうでした)14世紀から天皇家と並行して継続する家系があると知るだけでも価値はあります。