左右イデオロギー対立の時代から宗教対立の時代に移行した今日、
仏教やキリスト教と違い日本人だけの手によって作られた最初の
世界宗教天理教は果たして現代社会においてどのような価値を持って
いるのか?著者の小滝透は知識人には珍しくイスラム圏留学の経歴を
持ち、イスラム教をはじめとする世界宗教と天理教を逐一比較して
いきながら、神人関係とその裏返しとしての人と自然の関係、他宗教と
の関係、「信仰」に対する「理性」「知恵」のあり方、宗教と法律の
関係、といった21世紀を生きていく上で避けて通れない問題を議論して
いく。天理教教義の革新性や日本の宗教的伝統との関係がわかるばかり
だけでなく、日本人と宗教の関係がどのようなものかを知る上でも
大変有益であるといえるだろう。