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天狗争乱 (新潮文庫)
 
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天狗争乱 (新潮文庫) [文庫]

吉村 昭
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

桜田門外の変から4年―守旧派に藩政の実権を握られた水戸尊攘派は農民ら千余名を組織し、筑波山に「天狗勢」を挙兵する。しかし幕府軍の追討を受け、行き場を失った彼らは敬慕する徳川慶喜を頼って京都に上ることを決意。攘夷断行を掲げ、信濃、美濃を粛然と進む天狗勢だが、慶喜に見放された彼らは越前に至って非情な最期を迎える。水戸学に発した尊皇攘夷思想の末路を活写した雄編。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

吉村 昭
1927‐2006。東京日暮里生れ。学習院大学中退。’66(昭和41)年『星への旅』で太宰治賞を受賞。その後、ドキュメント作品に新境地を拓き、『戦艦武蔵』等で菊池寛賞を受賞。以来、多彩な長編小説を次々に発表。周到な取材と緻密な構成には定評がある。芸術院会員。主な作品に『破獄』(読売文学賞)、『冷い夏、熱い夏』(毎日芸術賞)、『天狗争乱』(大佛次郎賞)等がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 554ページ
  • 出版社: 新潮社 (1997/06)
  • ISBN-10: 4101117381
  • ISBN-13: 978-4101117386
  • 発売日: 1997/06
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By アナスタシア トップ1000レビュアー
形式:文庫
 日米修好通商条約調印後に尊皇攘夷運動の盛んな水戸藩士の中でも特に過激な武田耕雲斎率いる水戸の天狗党が筑波山で挙兵してから越前で処刑されるまでの事件の流れを詳細に記録した傑作、本書に出会うまでは、なぜ京都の徳川慶喜に直訴するために戦いながら絶望的な行軍をする必要があったのか分からなかったが、本書を読んで西へ移動するしか生きる術がなかったことを知ることができた。徳川慶喜が幼少の頃から顔を合わせていたはずの水戸天狗党の面々を鰊蔵に押し込めて、1日に数百人(武田耕雲斎の3歳の孫や妻を含めて)斬首に処するという過酷な決断を下した件については心情を推し量ることができなかった。斉昭の忠実な家臣が斉昭の息子に殺されることになるとは歴史の皮肉である。ありままの事実を淡々と書き並べたような盛り上がりのなさやドラマ性のなさに物足りなさを感じる人もいるかもしれませんが、この淡々とした話の展開が、真実をもとにしたリアリティと臨場感を醸し出す効果を高めており、この作風は著者の大きな魅力だと思う。この作風は他の作品にも一貫しており、読後の充実感と爽快感を与えてくれる。まだ著書の作品を読んだことのない人は本作よりも「関東大震災」「長英逃亡」「破獄」「漂流」等の作品から入ることをお勧めします。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
ずっと以前から水戸の天狗勢の顛末について知りたかった。幕末を沸騰させた尊皇攘夷思想の本家というべき彼らがなぜ水戸から越前まで苦難の旅の末、非情な最期を迎えなければならなかったのか。彼らは一橋(徳川)慶喜を敬慕し、慶喜を頼って京都を目指したのだ。長州の過激浪士のように幕府を軽んじたものでもなかった。内容は吉村昭らしく資料から丹念に事実を拾い上げて、目の詰まった織物のような緻密さで天狗勢の悲劇を書ききっている。史実の累積のみがもつリアリティというかどっしりとした感動を味わえる。幕末といえばまず龍馬や新撰組なのだけれど、天狗勢のことを知らねばあの時代をわかったことにはならないだろう。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By atopos
形式:文庫
文章自体が非常に良く練られている。
史料の膨大さにも驚かされるが、その料理の仕方が上手い。
鳥瞰的な視点を持ちつつも、それを決して表には出さない。
武田耕雲斎と先頭にした人々が、悪路を越えていく描写は、情報も得られずに、進む恐ろしさを感じさせる。
このレビューは参考になりましたか?
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