賢治のグロ表情も、それをさせるために作ったと思われる展開も、記憶していた回数よりも多い。少なくとももう一巻でもグロ表情は登場するわけだが、そろそろやめた方がいいのではないか。よっちんに残酷な思いを何度も味あわせて田浦家やかつての仲間たちとの和解策(52巻で描かれたよりもずっと自然な方法だった)を壊したのと同じように、取り返しのつかない状態になる前に。
また出たよ、「暗黒な国の人間だから、残酷なことをやっても当然」みたいな描き方…。「凶器」と対になるものがないから、暗黒な国の残酷度ばかりが目立つ。これもよっちんに行った残酷な仕打ちの後遺症なのだろうか。「自分たちは賢治に嵌められたのか」「あれが裏切った人間の宿命」って簡単に答えを出しすぎではないか。賢治が王さんの仲間を利用する状態にあるかは不明だし、彼にとっては、仲間を渋谷戦にいられなくした中釜たち、理由は分からないが仲間に声をかけようとしなかった津神の方が「裏切り者」だろう。自分もあの人(仲間)もその程度にしか見られていなかったのだ、という思いが、彼が対戦の鍵を握るよう働きかけたのか。
遼も北岡も今回は出ず話題にすらなっていないのに、人物紹介にはいるんだな。前にも登場しない松ちゃんと正也(よっちんの心理として正也の名前は出はするが)、遼(よっちんは登場しているのに人物紹介にはいない)が紹介コーナーにいることはあったが、ここには担当者や読者のお気に入りやえこひいきが反映されているのだろうか。名前さえ出しておけば、どんなに見ていられない状況でもファンは喜ぶと思っているらしい内容の時もあったし。この巻は「賢治のグロ表情祭り」みたいにして、健次郎と八角が中釜から連絡を貰う話と、その次の回で締めくくった方がよかったのではないか。読者の「お気に入り」ということになっている健次郎と八角を遼と北岡の場所に入れて。