コマの使い方に面白いものはあるものの、人物紹介のコーナー(暗く重く投げやりな印象の方が焼き付けられる)、パターン・マンネリ化した見開き、大げさな言い回し、どんどん変な方向に進んでいくキャラたちを見ていると、彼らだけでなく作者も迷走している気がしてならない。
表向きは好意的でも、その実は痛烈な風刺が込められている描き方は良い。中釜の台詞が雑誌よりも抑えた表現になってはいるが、ブラックな人間性を見せられた後だとすぐには信じられないのも、そこを狙ってのことだろう。
そして菊多賢治がかつての仲間を煽りながらも、あるキャラのことを「あの子は確かに弱い。しかし、それは力じゃない!」とほのめかしたのは「彼」を軽蔑してみせた健次郎にだけではなく、そこにいる彼らすべてに向けられたものだろう。賢治だけがすべてのキャラの思いを知ることができるのだから。
瞬や八角がどこへ暴走し落ちていくのか心配。瞬は久しぶりに惨敗しそうな気配。しかし、「敗れて去った他の人たちと同じように、出番らしい出番が今度こそなくなるのではないか」とか、「彼」のように何かのきっかけで話題に上ることもないことを考えると、単にいい気味だけではない複雑な思いに。この経験がきっかけでよい方向に進んでいって欲しい。