新宿戦オンリーの巻。瞬のエピソードは入るけど、打つシーンはなし。明らかに渋谷戦が冷遇されてます。今のところ、健次郎の方が津神・遼・瞬よりも陰湿な毒を持っているんですから、優遇されてもいいと思うのですが(天牌ではかなりの毒を持った人=強い・作者から優遇されるということになっています)。あまり陰湿すぎて、展開に行き詰ったのでしょうか。明らかに他の人とは違う種類の毒ですから。
雑誌掲載時は確かに緊迫感はあったのですが、単行本一冊丸ごと新宿戦のみだとかなり褪せてしまってます。入星の肩の激痛はなくなってるし、智美は遼の自信たっぷりの台詞に何の不安も見せずに答えているという矛盾を抜きにしても。
以前は一つの対戦の間に別のエピソード(四川の戦いだと、瞬vs高志・ゆかが智美のマンションに泊まる・よっちんが瞬を訪ねる・よっちんが正也に対戦を申し込まれるといったように)がたびたび挟まれていたから緊迫感は保たれていたのでしょう。
健次郎の見下し態度を描くのが苦しいなら、傷付け合いながらも、実は互いの存在を確認することで支え合い、それぞれの毒を薄め合ってきたよっちんと賢治(津神と静一も二人と出会うことで薄められてきたことを暗示する描写あり。津神は入星との対戦でさらに薄められましたが)が、その存在を見失ってしまったことに気付いていく過程を合間に描くべきだったと思うのですが。新宿戦終了後、賢治の心情がほとんど描かれないのは、怒りを周囲に放出しても毒は薄められない辛さを暗示したものという理由付けにもなったでしょうし…。