よっちん、市居に負ける。市居が小細工をしたのかもしれないし、よっちんが焦りすぎたのかもしれない。自分の利益となると見境がつかなくなる市居のこと、いかさまとまではいかなくても仕掛けを施した可能性は十分にある(21巻の陽一や盛岡みたいな性格だな)。
菊多賢治、初登場。外出許可は貰ったと言った時の健次郎、何やら企んでそうな顔だ。市居といい、この人といい、好奇心を態度に出すなよ。よっちんと賢治が怒りを覚え始めるのは次の巻だ。ここでは賢治は「月が綺麗ですね。」と「外の世界」に思いを馳せることで紛らわしているが、渋谷戦で健次郎の嫌な面を思い知らされるに連れ、関係を表す言葉を言わなくなる。今はまだ「肉親」であることをほのめかしているが、それすらもなくなるだろう。自分を恐怖感で見、健次郎をわざわざ持ち出す祥吾のことも許せないのだろうが、健次郎ほどの憎しみは感じていないと思われる。
賢治と陽一の飲むシーンは印象に残る。二人の顔が何度変わろうが(列伝の二人の顔は、健次郎や八角五郎の記憶が間違っているのだろうが)、意外な面や毒の部分を見せようが、親しみを感じてしまうのはそこなのだ。健次郎はカップを持つシーンさえないし、五郎が渋谷戦で飲んだ物は飲食物ではないし…。渋谷戦での陽一の浮かれぶりはさすがに引くが…。