作品はどれも繊細で上品な雰囲気で好感が持てました。優しい色づかいでまとめたものが多く、ビーズと糸の色あわせも参考になりました。
ただ、肝心のカラーページの写真の作品がどれも比較的小さく、レースの目や模様のつながり、ビーズの配置など、作り手として一番しっかり見たい部分が今ひとつ分かりづらいのが残念です。勿論モノクロページの編み図を見れば作品は出来ますが、作りながら完成作品と見比べたり、出来上がりの雰囲気を考察する上で、カラー写真はとても重要だと思います。また、作品を様々な小物と一緒に配置しての写真が殆どなのですが、これが演出過剰というか、演出のせいで作品が見づらくなっているだけでは?と思ったページが多々ありました。作品と同系色で、しかも本命の作品より色味の強い演出用モチーフを背後に持ってきて、結果的に作品の詳細がさっぱり分からないなど、読み手が求めている部分を理解していない印象を持ちました。
そこまで詳細が分からなくても大丈夫なレベルの人向けと言われればそれまでですが、難しくて作れなくとも、折角の細かい手仕事をじっくり見られないのは勿体無いなあと思いました。
同じタティングとビーズを用いた本でも、荒木孝子・山中恵の「タティング&ビーズの素敵ジュエリー」は、写真での作品の見せ方をしっかり押さえ、素直で親切な紙面でした。作品の傾向は違いますが、とにかく一から気楽に挑戦してみたい方にはこちらを薦めます。