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最も参考になったカスタマーレビュー
17 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
山椒は小粒でも…,
By 編集素浪人 "ディオゲネス" (横浜市青葉区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 天文学の誕生――イスラーム文化の役割 (岩波科学ライブラリー) (単行本(ソフトカバー))
軽く書き流した研究ノートと思いきや、どうして新知見と示唆に富む意欲作だ。久方ぶりの科学史の新星登場か。デビューさせた版元もこの際褒めておきましょう。
最終的にコペルニクスに至る天文学史の体裁をとるが、言うまでもなく天文学は数学や占星術と不即不離であり、哲学や宗教とも縁が深いから、その歴史叙述は簡単ではない。本書は論証科学、定量的な知の継受という観点を柱にし、アッバース朝の貢献を中心とするが、バビロニア、ギリシア、ササン朝、インドと目配りは広い。インド天文学の先端性、シリア系キリスト教徒の活躍、当時の知的世界にあっては論証と議論が重視されたことなど、大いに蒙を啓かれる。文明移転のケーススタディとして高水準の出来ではないか。 表の主役プトレマイオスの陰にヘルメス(コペルニクスにも出てきますね)やらイフワーン・アッサファーやらがちらちらするのも興味深い。余談ながら、イブン/ブン(人名の間のibn)、イブン・シーナー/トゥースィーといった転記上のギャップは意図的なのかどうか。
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