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天才 勝新太郎 (文春新書)
 
 

天才 勝新太郎 (文春新書) [新書]

春日 太一
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「座頭市」と豪快な勝新伝説で知られる勝新太郎。本書は映画製作者としての勝とその凄まじい現場をスタッフの証言を元に再現し、繊細すぎる実像を浮き彫りにする。純粋さが加速させる狂気のノンフィクション。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

春日 太一
1977年東京都出身。時代劇を中心にした日本の映画・テレビドラマの研究家。日本大学大学院博士後期課程修了(芸術学博士。テーマは「一九七〇年代の京都撮影所における時代劇製作の諸相」)。失われつつある撮影所文化を後世に残すべく、当事者たちへの聞き書きをライフワークにしている。講演・著述を通して、製作現場の熱気や職人たちの美学をより多くの方に知ってもらおうと活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 303ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2010/01)
  • ISBN-10: 4166607359
  • ISBN-13: 978-4166607358
  • 発売日: 2010/01
  • 商品の寸法: 17.4 x 11 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
その独自の制作スタイルゆえ残されていたと思われる膨大な記録から、ひとつひとつ事実を拾い出しては、それを紡ぐようにして描かれた勝新太郎のなんと魅力的なことか。その名前を見ても「座頭市」のイメージか、大麻をパンツに隠して捕まった時のイメージしか出てこない私にしたら、全く想像外の姿。でも、それが実像なのだというのが、なんともリアルに感じられるのは、やはり「事実の積み重ね」の強さゆえか。

本著の主人公はあくまでも勝新だけど、周囲のスタッフの魅力をも感じさせる場面が多々あるのも良かった。例えば、とある撮影で画面に物足りなさを感じた勝が「雪が足りんな……」と、照明の中岡源権に雪のありそうな場所を尋ねる場面。具体的な地名を挙げれば、間違いなく一行を引き連れそこに向かうであろう勝新という人物を熟知していて、福井という地名を出す中岡の「共犯者」っぷりとか。何をさておいても、ぐいぐいと読まずにはいられない好著でした。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 狂気のノンフィクションとキャッチにあるが、勝新太郎がここまでの人だとは思いもよらなかった。黒澤明の「影武者」降板以前にすでに完全に出来上がったピカソ並みの悪魔的天才だった。僕にとっては、年代的には「座頭市」の傑作TVシリーズを夢中で観たのが同時代人としての印象である。その製作方法がすでに脚本・監督・主演すべてに関わるという完全ワンマン方式だったというのは驚きだった。それも脚本は有るか無しかの程度で、現場で全て生み出してしまうのである。本書のいたるところで言われているように、全く神がかりとしかいいようがない。

 これでは「世界の黒澤」と揉めるのは当然だ。黒澤は脚本至上主義者で、全ては脚本になければならないとする監督だから。自分は黒澤フリークといってもいいくらいだが、勝の黒澤評には頷けるところが多々ある。特に「影武者」の演出に対する勝の疑念(不信)である。信玄のひげや影武者の刀傷についての考え方についての勝の意見には同意せざるを得ない。黒澤にはそういった稚拙なところがあるのは事実なのだ。彼の人を見抜く動物的なまでの直感力というのは、自分でも持て余すほどにスゴイものだ。

 座頭市にのめり込むあまり、何もかも度外視して、ついには自分と座頭市の区別がつかなくなるあたりはまさに狂人、一種の性格破綻者とでも言いたいくらいだ。作品に対するここまでの執着は、表現者としての作家的良心というより「業」である。

 彼は壊しつつ創る。破壊と創造という芸術の相反する要素を同時に持ち続ける選ばれた存在(スター)である。現在、同じようなキャラクターとして北野武(ビートたけし)がいるが、「戦場のメリークリスマス」のキャストは勝からたけしに代わり、「座頭市」は勝の死後、北野が監督することになるのは不思議な因縁だ。
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By mozartfan トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書|Amazonが確認した購入
 役者・勝新太郎ではなく、監督・勝新太郎をきちんと紹介し、論じた初めての本です。映画関係の本としては、貴重な証言と記録に満ちており、近年稀にみる好著でした。
 第1章では、フジテレビ製作「新・座頭市」の「冬の海」(原田美枝子ゲスト出演)を撮るときの「映像作家」勝新の記録を春日氏は録音テープを起こして再現します。テープには勝新のほかに撮影の牧浦地志、助監督の小林正雄、スクリプターの野崎八重子の肉声が記録されています。勝は実際の少女との出会いの思い出を元に物語を紡いでいきます。しかし、イメージは勝新の頭の中にしかありません。撮影現場はそれを掴むために四苦八苦します。
 テレビ版「座頭市物語」「新・座頭市」「警視-K」などの傑作群(それらは現在でもテレビドラマの常識を突き抜けています)がどのように作られていったかが、ビビッドに書かれています。
 この本を読んで、これらの作品を観れば、勝新が何を目指し、何に苦しんだのかが分かり、感動が深くなります。幸い、DVDやVHSで勝新監督作品をほとんど見ることができます。最初の監督作品、映画『顔役』もぜひDVDで発売して欲しいものです。(追記)『顔役』は2010年11月CSの衛星劇場で放映されました。
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最近のカスタマーレビュー
とにかく面白い。
タイトル通りなのだが、本書は構成もストーリーテリングも上手く、抜群に面白い本だ。僕は日曜の夜から本書を読み始めのだが、気づいたらとんでもない深夜になっていて先を我... 続きを読む
投稿日: 2か月前 投稿者: I Love SevenStars
醒めた視線に好感が持てます。
役者としても映像作家としても、文字通り天才だった、勝新の一代記ですが、著者がそれほど対象にのめり込んでいない点が好いですね。... 続きを読む
投稿日: 5か月前 投稿者: スメルジャコフ
豪快とは聞いていましたが
勝新太郎を身近でみていた人の印象がよくあらわされています。勝プロ社長を引き継いだ中村玉緒さんの今の強かさはこの時創られたのかななどと創造しながら楽しむのも一案。
投稿日: 7か月前 投稿者: HIROSIMAの星
勝海舟も天才だが、勝新太郎も天才である。
勝新太郎の姿に迫った労作。
こういうのは取材量がものを言う。その点本書は100点である。

私が知る天才勝新太郎。... 続きを読む
投稿日: 9か月前 投稿者: Gori
時代劇研究家というのがうれしいです。
 著者の肩書きは表記のとおりで、しかも芸術学博士と
なっています。何はともあれ、学術的に時代劇映画を研... 続きを読む
投稿日: 18か月前 投稿者: 野原ひろし
読後、勝新作品が見たくなる本
勝新太郎が適役「座頭市」に出会うまで、出会ってからの苦悩が書かれてます。... 続きを読む
投稿日: 2010/5/3 投稿者: ぺん獣
甘ったるくてげんなり
勝新太郎が天才の一種であることは否定しないけど、スタッフを率いている責任者としての自覚が余りになさ過ぎるエピソードの数々にげんなりしたし、それを肯定的に包み込んた... 続きを読む
投稿日: 2010/4/17 投稿者: brown25
筆者が燃え尽きていなければいいが……
確かに力作であり、思い入れが筆致に乗りまくっていて、面白い。
評伝がほとんどなかった勝の論としても貴重。... 続きを読む
投稿日: 2010/2/26 投稿者: ヤマ トミオ
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