子どもを天才にするメソッドとかには微塵も興味がないので、そちらに関してはノーコメントとして・・・。
基本的に久保田氏は、イヤイヤ期を好ましくないし正しい成長過程でもないと考えているようで、子どもにイヤと言わせないために、1)前頭前野を鍛える=久保田メソッドを実行する、2)イヤの原因を取り除く、3)毅然とした態度で接する、の3つを解法として挙げている。本書を鵜呑みにした場合、イヤイヤ期を迎えなかった親は「やれやれ一安心」ということになろうが、そこには一つ、見過ごしてはならない落とし穴がある。
発達心理学ではイヤイヤ期、すなわち第一次反抗期は「発達指標」として位置づけられている。それは、発達に遅れのある子の多くにこれがみられないことによる(
新 乳幼児発達心理学)。世界中の"terrible two (魔の2歳児)"は、大人目線ではさぞかし好ましくないガキ達だろうが、発達心理学的に言えば正常な発達段階を踏んでいるのであって、短絡的に「無いに越したことはない」と切り捨てていいものではない。仮に「0歳から前頭前野を鍛えれば、イヤイヤ期は来ない」説が本当だとしても、「大切な発達指標もマスクしてしまう」という断り書きなしに安易に発信するのは無責任だと思う。お手軽ハウツー本といえども、子どものサインを一番キャッチしやすい母親向けに書いているのなら。
自我が芽生える第一次反抗期、自我を確立する第二次反抗期、ともに子どもにとってはかけがえのない「産みの苦しみ」だと思うので、とことん付き合ってやりたい。脳の話はそれからだ。