著者の講演を聞いて響く親9割、響かない親1割だそうだが、本書を読んだ限りにおいて私は1割の方に入りそうだ。と言っても、共感できるところは多々あるし、体罰の制限などは参考になったし、何より現場で創意工夫を重ねて独自のメソッドを確立したことは素晴らしいと思う。がしかし、ところどころ魚の小骨のように引っかかることがあり、結局飲み込めずに終わった。
最大の小骨は「3歳以降抱きしめるな」という禁止令だ。しつこい上に「成功へのキーワード」「絶対しないで」とまで言っていることから、これがヨコミネ式においてかなり重要なポイントであることがうかがえる。そして、3歳過ぎて抱きしめたりなんかした日にゃ思春期になってから性欲に溺れ、非行に走り、少年院に行き、マザコンにもなるし、ニートにもなっちゃうよと力説するが、ここでしれっと「溺愛、甘やかし」を「抱擁」に置き換えた意図は何だろうか?抱擁禁止で高じる子どもの渇望感が、ヨコミネ式の原動力になるとか?執拗な牽制は裏を返せば、高々ハグした位でヨコミネ式では伸び悩むってこと?真意はどうあれ、私は「心ゆくまで親に抱いてもらえなかった育ち残し(欲求不満)は異性に持ち越しとなり、性体験を早める」(
Q&Aこころの子育て)との言葉を信じるので、これには従えない。
また子どもの評価基準、ほめ方、励まし方などが何ともお粗末。「
ママのやさしさが、学力を伸ばす」などという横峯氏に怒られそうなタイトルの本があるが、こちらは行動科学に基づいた自学自習のススメで、天才の育て方は載っていないが、子どもを計る物差しはこちらが正解だろう。
他にも、他園や小学校をツマラナイモノと見るその意識は子どもに伝わらないのか、競争と比較のシャワーの中で子ども同士に友情が芽生える余地はあるのか、園長のおっさんと同じことを母親がやることに弊害はないのか、などなど小骨は尽きない。
最後に、過去の天才児(卒園生)達が今どうしているのかが最大の関心事だったのだが、本書の中に答えはなかった。残念。