「天才の発想力」というタイトルですが、中身はエジソンとテスラの伝記です。著者は、テスラに思い入れの深い人なので、この本もどちらかといえばテスラ寄りかも。電球を売るために、発電システムが必要・・・のように、「ビジネス」を念頭において発明をする叩き上げ型のエジソン。一方、地球自体の性質を利用して無線信号送信と無線電力送信を1つのシステムとして構築する・・・のようにスケールはおおきいが、どこか危うげなインテリのテスラ。この二人は少しだけ一緒に働いて、互いに認め合うものはあったようですが、気はあわなかったようです。
エジソンは名声も富も得ましたが、テスラは最終的には孤独死でしたし、知名度はエジソンとは比較にもなりません。
また、二人とも天才的でありながら、完全に自由な発想をもちえたわけではありません。エジソンは交流やラジオには懐疑的でしたし、テスラは相対性理論を受け入れられませんでした。その意味では、ふたりともやはり「人間」です。「天才」とは神秘化されやすい存在ですが、この本では二人の人となりをコンパクトに適当な距離感を保ちながら洗いだしています。
「発明」、特に、19世紀の個人発明時代について興味がある人にとってはおもしろい本だと思います。