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18 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ノンフィクションの良作。,
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レビュー対象商品: 天才たちの誤算―ドキュメントLTCM破綻 (単行本)
LTCMの破綻というウォール街の醜聞を扱っている本書はファイナンスの関連書という扱いになるのだろうが おそらくこの本はノンフィクション作品としての意義の方が高いように思われる。 金融工学に精通していない読者にもLTCMがどういう手段を用いて 債券市場から薄い利益を(レバレッジをかけて)拾い出したかが 巧みな比喩でわかりやすく書かれている。 かと思うと、LTCMのパートナー達がどういう人間だったか 描くことを決して忘れたりはしない。 圧巻なのは第二部で、決してわかりやすい内容ではないにも関わらず あの時あの瞬間ウォール街の緊張感が実に上手く描かれている。 読書でスリルを感じたのは久しぶりのことだった。 実に素晴らしいノンフィクション・エンターテイメント。 星五つ、文句なし。
11 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
市場の支配者「神の見えざる手」に挑戦した男たち,
By b2 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 天才たちの誤算―ドキュメントLTCM破綻 (単行本)
顧客獲得の為の行脚。自分たちの投資手法を理解しない投資家たちにトレーダーが吠える「あんたらみたいなバカがいるから儲かるんだ!」・・・正解。ただし皆が理解するまでは。長年の経験と嗅覚を売りにした「相場師」の独壇場だった当時のマーケットで数式を駆使して証券の理論価格を弾き出し、マーケットに理論値とのズレがあればその差を拾いに行く、、、今では常識と化した同一商品間裁定取引(アービトラージ)と呼ばれる手法は当時革命的であった。それは従来の相場師たちからすればゴミのような「誤差」に過ぎない、しかし自己資金を担保に借り入れを起こし投下資金を数倍あるいは数十倍にすればその誤差を数倍、数十倍にでき、極めて少ないリスクで莫大なリターンを得ることが出来る。当初は大成功であり名声を得た。しかし徐々に手法が知れ渡り競争者が参入し、今まで取りたい放題だった市場の「誤差」は瞬く間に埋められリターンは小さくなる。さらなる誤差を求めて不確定要素が極めて少なく確立した理論計算が通用しやすい先進国国債からターゲットを発展途上国、社債、株式へと移して行く。それらは不確定要素が多すぎ理論価格の算出には懐疑的だったが彼等はせざるを得なかった。当初の名声により莫大な顧客からの資金が流入中で、かつ顧客は当初あげた極めて高率のリターンを数十倍に運用資金が増えた現在でも等しく期待していたのだから。そして全ての市場参加者が彼等と同じ理論に基づいて行動したとき、理論が売りシグナルを出しても(皆が同じ行動を取るから)「カモ」になる買い手は現れず、市場参加者丸ごと引きずり込む「理論値を超えた」異常な変動を引き起こし、ファンドは崩壊する。最強の投資理論はそれが最強であると皆が認めたとき、それが故に最強では無くなった。
11 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
現代版 平家物語,
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レビュー対象商品: 天才たちの誤算―ドキュメントLTCM破綻 (単行本)
「奢れる者は久しからず」これを現代において派手に具現したのが LTCMである。 まず、この本はファイナンスに それほど詳しくない人が書いてるので、 読みやすい、反面、デリバティブなどに関しては詳しくない。 LTCMが行ってきた取引手法に関するもう少し詳しい 記述が読みたい方は、 「LTCM伝説」のほうを読まれるとよい。 さて、LTCM=金融工学の魔術師のイメージが あまりも強い為、LTCM破綻を 「金融工学の無力さの象徴」 「金融工学は机上の空論」 などと揶揄する人がいるが、 そうでもないことがこの殻もよく分かる。 確かにノーベル経済学賞受賞者が二人もいたことは確かである。 しかし彼らはファンドの宣伝に使われていた反面、 ファンド内部では、あまり発言権を持っていなかったことが伺える。 実権を握っていたのはおおよそ一握り、 ソロモンでのメリウェザーファミリー、 ヒリブラント、ハガニなどである。 そしてファンドの実権を握り、 天文学的な取引の決定権を握っていた彼らのトレード手法は、 ファンドの理論的なイメージとは裏腹に、 最終的にはスプレッドが開くか収束するかに「賭けたり」 ヘッジなしで、3流債に賭けたりという、 非常に投機性の高いものであったことが伺える。 彼はまさに昔からの相場士的な自らのカンを ますます過信するようになり、 最終的は理論を無視してめちゃくちゃに張った。 これこそが破綻の原因であり、 「奢れる者は久しからず」である。
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