地球がまだ生まれて間もない頃。神の息吹で、闇に光が誕生し、やがて、最初
の7日間で、地上に、動物たちと最初の人間アダムとエバが生まれる。神は、
アダムとエバに禁断の実の摂取を禁じるが、ヘビにそそのかされ、二人はその
タブーを破ってしまう…。
世界映画史を駆け巡った名物プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティスによる
旧約聖書の「創世記」第22章までの映画化作品。様々な世界的な監督にオファ
ーが行きながら(一説によると、ブレッソンが一部撮影したものの、ラウレンティス
と合わず降板したらしい)、最終的には、ジョン・ヒューストンに落ち着いた。音楽
を黛敏郎が担当しているのも有名だ。
特にキリスト教圏の人間でなくとも、大まかに知っている創世記の物語を一大
スケール(一部を除きフル・スケールが基本)で観せてくれるという映画的興趣
があり、豪華な俳優陣も大挙出演しているとはいうものの、作品としては、平板
で、大味の感は否めない珍作的大作だ。そもそも、66年という時期に、50年代
に流行した宗教史劇に再度、挑戦するというラウレンティスのプロデューサーと
しての試み自体が、時代に即していなかったという気がしないでもない。
とはいえ、CG時代ではとうてい味わえない、人海戦術のスケールにはやはり
目を見張る。とりわけ、「ノアの方舟」のエピソードの壮大なスペクタクルは、ノ
アを気持ちよさそうに飄々と演じているヒューストン自身の好演と相俟って(動物
好きのヒューストンの面目躍如!)、全編通して、最大(そして唯一)の見せ場と
言っていいだろう。
本Blu-rayは、新たにリマスター、レストアされたマスターを使ったもの(70mm
版ではなく、35mmのキャメラ・ネガティブからのテレシネのようだ)。自然で鮮
やかな発色、細密なディテール表現…、とても66年の作品とは思えない極上
画質。音声もDTS-HD(ロスレス)で、実に繊細な仕上がりだ。特典には、予告
編が収録(4:3レターボックス)。TV放映時の日本語吹替えは、109分のみなの
で(175分中)、完全にオマケと割り切ったほうがいいだろう。
すべての点で、既発売のDVDの質を凌駕しており、全くの別物なので、本作
のファンはもちろんだが、Blu-rayのレファレンス・ディスクとして購入してもいい
かもしれない。Blu-rayの驚異的なHD画質、音質を体験したい方にオススメの
1枚だ。