大河ドラマが直江兼続を取り上げるというので楽しみに原作を読んだ。
そして愕然とした。
小説であるからには架空の人物を登場させたり、作家のオリジナルエピソードが盛り込まれていても、それが構成上必要であるならばある程度は仕方がないのかもしれない。
ただし、それはあくまでも物語や登場人物の演出上必至であるか、物語性を高めるものでなければならないだろう。物語のテーマや本質、史実を歪ませるものであってはならない。
その点でこの原作は首をかしげることが多々あった。
文章も然り。
冒頭から教科書を読んでいるかのごとく物語に引き込まれないことに苦慮して読み進めた。
人間が描けていない上に、時折出てくる注釈めいた文章が物語を興ざめさせる効果をもたらし、学生の習作を読まされている気分だった。
直江兼続に着眼するのはよかったが、作家の力が未熟過ぎたということか。
直江兼続の名誉のために、NHKのスタッフが原作とどっこいの大河ドラマを制作しないことを心から祈ってやまない。