テーマが「心中」というので救いの無い話ばかりなのかしら、と
思ったけど、そうとも限らず、あかるいトーンのものからずっしりしたものまで
ずらり並んだ見事な短編集。
最初の話が、いきなり自殺で有名なあそこだと思われる樹海から始まる。
自殺志願の男と、サバイバルゲーム中の若者。一見、単純に生と死を対比させる話かと
思いきや、意外な展開にビックリ。
死がモチーフになっていて、いわゆる幽霊譚みたいな話もいくつかあって、どれも
読んでて「こんな霊ならちょっと会ってみたいかも」とにやりとさせられた。
しかしこのごろ「光」とか今回の短編集とか…すでに直木賞作家なのに、
賞狙い的な、うまさを見せようとフルスロットルで書いたみたいな雰囲気を感じる。
いや、三浦しをん本人は、自力でどんどん先に進んで、深い小説を書けるところに
きているだけなんだろうけど。