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15 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
和やかな気持ちにしてくれる本,
By
レビュー対象商品: 天国はまだ遠く (新潮文庫) (文庫)
作者自身の丹後での教員生活を基に書かれた作品だそうですが、実に優しく、目に見えるようです。自殺をするために丹後に辿りついた23歳の女性が主人公です。彼女は、都会での生活に疲れ、死ぬためにやってきます。でも、大自然に包まれて、次第に「死」から遠のいてゆきます。この彼女が癒されてゆく過程が、優しく、美しく描かれてゆきます。海が、星が、緑が、彼女の疲れた心を癒してくれます。 この作者の柔らかなタッチの文章が、読む側まで和やかな気持ちにしてくれます。毎日のあくせくした人生が嫌になってしまうような、そんな本です。
22 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
するする流れるせせらぎのような,
By 昼行灯 (埼玉県越谷市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 天国はまだ遠く (新潮文庫) (文庫)
正直、ちょっと驚いたかもしれない。もちろん、結末にではない。読んでいる途中でラストまでばっちり予測できてしまう。 おそらく誰でも予測できてしまうだろう。所謂あっと驚くような 展開はないのである。だがきっと、これはこれでいいのだ。 疑似体験ができる小説なんだろうなと思う・・・たぶん。 少なくとも私はできた。主人公の体験を通して安らぎを得ることができた。 そしてラストで「明日からまたなんとかやっていけるさ」ってな 気分になれた。断っておくが別に陰鬱な気分だったわけではない。 冒頭の、主人公が仕事の悩みで思いつめてるシーンなんて なかなかリアルである。こんなことは誰でも経験があるんじゃないだろうか? それが自殺の決意まで行くかどうかは別にして。 この主人公の悩みに共感できるから、読者は主人公と自分を 重ねることができる。そして主人公の小さな冒険へダイブ。 こういった類の小説に「あっと驚くような展開」はたぶん無用で、 読者が望む予想通りの安らぎを与えることこそが必要なんだろう。 薄い本で本当にするっと読めてしまう。でも、薄いからするっと 読めるわけではない。文章が素直な感じ。あっと驚かせるものでも 奇をてらったものでもしかつめらしくもなく、ただ流れるような素直な文章だと思う。 そしてそのするすると流れるような文章が、美しい景色の描写や、 登場人物の飾らない優しさに不思議とマッチするのだ。 だから物語にするっと溶け込めて、主人公に共感できて、 ラストでも素直に良かったねと思えるのだ。
21 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
日本海側の奥の方で、深呼吸する,
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レビュー対象商品: 天国はまだ遠く (新潮文庫) (文庫)
自殺を決意し、日本海側の「奥の方」へと向かった23歳の女性が主人公。(私自身が北陸出身なので実感できるが)どこか重く湿った空気が身体に纏わりつくような土地である。 しかしそこで彼女は、自分に纏わりついていた妙な縛りを、知らず知らず解いていく。 とにかく、そこに生きる人々の姿がいい。 彼女が自殺を試みたことに薄々感づいた民宿の主の無骨さは、 下手な声掛けよりも、ずっと世界を素敵に見せてくれるし、 他人を慮ってではなく気分次第で親切だったり、主人公の好意を無碍にしたりする 近所のあばあさんは実にキュートだ。 この土地の人々は、自分で自分を生きている。 それが押し付けがましくなくて、 読後、私も主人公同様に、どこか身軽になれた気がする。
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