内容は、当然後日談が中心なのですが、カレドニアへいくときの話や、到着してからのゴタゴタについてより詳しく書かれており、しかもその内容が、企業のドロドロとした企みをほのめかすものになっており、一歩間違えば現地の有力者の情婦にさせられていたとも解釈できるもので、たいへんショッキングなものでした。また、帰国してからの不愉快な経験もいくつもつづられており、「天国にいちばん近い島」を青春のバイブルの様に大切になさっている方はむしろ読まない方がよいと思われます。しかし、この本が書かれたのが、初めの帰国後だいぶ時間がたって離婚を経験してからということもあって、文章全体を通して少しだけ見えてくる森村氏の世界観、人生観に、晩年のとても残念な最後の予兆と謎の答えがわずかながら理解できる様にも思え、冷静に森村氏の人生とは、そして自分の幸福とは、といったことを考え見つめてみるには重要な作品だと思います。