ショートショート1001編執筆の快挙を成し遂げた星新一。本書は氏の久しぶりの文庫新刊である。収録内容がうれしい。単行本未収録作品+文庫本見収録作品。この中には幻の処女作品「狐のためいき」と1001編の後に書かれた「担当者」も含まれている。前者はペーソス感溢るる叙情的な一品、後者はまるで氏の遺言のような味わいのある作品であった。読後一番感銘を受けた作品は「収穫」。ショートショートというテイストと氏の多くを語らない簡潔な文章だからこそ、生まれたのではないかと思わせる「果てしなき深み」を覚えた。はたして解説にも同様のことが書かれていて驚く。ここ半年ほど停滞中であった氏のショートショート完全読破計画を再開することを宣言して拙文を終わりたい。