22の質問に答えて天命を追求・・・・・・とのことだったので、答えれば何かがところてん式に出てくるかと思いきや、そういうことではなかった。天命というのはわかりやすく指し示された具体的職業などではない。全体としては「天命とは何か」を書いた本だと思った。
22の質問は、ぱっと答えられるものではなく、かなり考え込まされるのでそれなりに時間がかかる。質問に答えて何かが出てくると言うよりは、質問をたたき台にしてこの本の内容を理解しやすいようにしているのだと思う。天命、というと自分ひとりのことのみを考えてしまうが、身の周りの人間関係や他人の人間性・天命の考え方も含めているところが視野を広げてくれた。著者自らが経営者であるからこそこのような視点で書いたのではないかと思う。その点で、他の人の力を借りなければならない経営者にはかなり参考になる部分が多いのではと思う。
よくある成功本と違って、最終的には、うまくいっても行かなくても自分の情熱を傾ける志を探し出そうという内容で、これからある分野で独立しようか迷っている私としては、勇気をもらえたと思う。人間の心にはマイナス思考もあるのが自然であり、その部分(嘆き)に焦点をあててそこに天命が現れているのだ、と説くのには説得力があると思う。
残念なのは、「天命」というのは万人共通のものだと思うのだけれど、事例として挙げられているのが経営者ばかりであること。志をもった昔の人としては武将や幕末の志士などが多く出てくるところで、女性の私としてはあまり共感をもてなかったところ。まぁ、これはこの本に限らず、ですが。