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凝りに凝ったプロット、魅力的な人物造型、歴史と政治への深い
理解。そして何よりも、読むことの快楽を極限まで追求した、無駄
の一切ない、それでいて密度の濃い文章。
小説の世界にどっぷり浸ることが出来る。
この『天使』は、そうした佐藤亜紀の魅力が頂点に達した作品だと
私は思う。当然面白い。しかし、その分難解なのである。
まだ佐藤氏の小説を読んでいない方は、『バルタザール』『1806』
から読み始めることをお勧めする。
他のレヴューにあるとおり、この小説は「説明」というものを
理解不能になるぎりぎりのところまで削ぎ落としている。
だが、氏の小説をある程度読みなれれば、この難解さは容易に快楽
へと変わるだろう。
というわけで、佐藤亜紀の小説を読んだことがあり、かつ面白いと
思った方には、留保無しで胸をはってお勧めできる本である。
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