本書はDavidsonのA Dictionary of Angels(1967)の全訳であり、現在日本で手に入る天使関連の書籍としてはおそらく最高の一冊です。天使の名前、および関連用語を約4000収録しています。
旧新約聖書のほか外典偽典、イスラム文献、中近世の天使学、神秘学まで項目は実に多彩。付録には七人の大天使の出典ごとの比較やメタトロンの76の名前などがまとまっています。参考文献も邦題含め充実しており、天使哲学に興味のある方なら満足される内容かと思います。(スピリチュアル方面の説明はありません)
ただバリエーションが豊富すぎて、聖書のほかカバラ、グノーシス、中世魔法理論の簡単な知識がないと読みづらい箇所も多々有り。入門書としては真野隆也氏の「天使」等の方がおすすめです。
また、ガブリエル女性説やルシフェル・ミカエル双子説など出典のはっきりしない話題は載っていません。
学術書という体裁の堅い本ではありますが、情報量の多い良書です。