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天使の軍隊
 
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天使の軍隊 [単行本]

佐々木 敏
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

2020年10月1日。朝鮮中央放送は、キム・ジョンイル(金正日)朝鮮労働党総書記兼朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)国防委員長が78歳で死去したと報道した。
「敬愛する天皇陛下ならびに日本国民の皆様。」で始まる遺書の真意とは……。
膨大な情報ストックを、驚異的な知見で読み解き、未来を「必然」として的確に予知する。稀代の作家・佐々木敏が呼び醒ます「未来の記憶」。
「日本人と朝鮮人は、世界でもっとも長い歴史と伝統を持ち、全人類を指導する資質と使命を帯びた、世界でもっとも優秀な民族です。」と結ばれる金正日の遺書には、「中朝戦争」の末が詳述されていた。そして2023年、まったく新しいスタイルの「戦争」を日本人が秘密裏に実現させた。
極東アジアの近未来を予測し、歴史のダイナミズムを精緻な筆致で描きだす、渾身の書き下ろし作品。

内容(「BOOK」データベースより)

2020年10月1日。朝鮮中央放送は、キム・ジョンイル(金正日)朝鮮労働党総書記兼朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)国防委員長が78歳で死去したと報道した。「敬愛する天皇陛下ならびに日本国民の皆様。」で始まる遺書の真意とは…。膨大な情報ストックを、驚異的な知見で読み解き、未来を「必然」として的確に予知する。稀代の作家・佐々木敏が呼び醒ます「未来の記憶」。

登録情報

  • 単行本: 430ページ
  • 出版社: 講談社 (2007/4/26)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062140160
  • ISBN-13: 978-4062140164
  • 発売日: 2007/4/26
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 494,201位 (本のベストセラーを見る)
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28 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
これは第1級の未来予測SFである。

現実のロボット研究が漫画家や映画監督のイマジネーションを追い抜き、実用段階にはいりつつあることは知っていたが、その結果何が起きるかを的確に予言したSFはなかった。従来のSFは擬人化したロボットが「人間のように心を持ったらどうなるか」といった机上の空論ばかり描いていた。

しかし、著者は現実のロボット研究の現場を徹底的に取材し、100を越すロボットの試作機をじっさいに見て、正確にロボットの未来像を描き出した。

それは擬人化ならぬ「使い捨て化」だ。
ロボットの最大の特徴は、人間と違って、死んでもかまわないことだから、危険な作業に消耗品として投入できるということだ。もちろん、その危険な作業の最大のものは戦争だ。

これを読まずしてロボットを語るなかれ。そう言い切れる。きっと「ロボットSFの古典」になるだろう。

尚、この著者は国際政治をテーマにしたメルマガを発行しているため、そちらで「中朝戦争」に関する予測記事を読んだ読者は、この小説にも中朝戦争の「戦況」が描かれているに違いないと思い込んで購入し、期待と違う内容だったことで、文句を言っているようだ。
しかし、著者は事前にメルマガやホームページで、この小説が

・中朝戦争をメインテーマとしておらず、背景として描くこと
・小説「天使の軍隊」の舞台は(中朝戦争のずっとあとの)2020年代の世界であること
・小説のメインテーマは軍事用ロボットであること
・小説とメルマガは基本的には関係ないこと

を繰り返し明言している。ファンならば、そうした著者の言葉を忘れてはならないだろう。
このレビューは参考になりましたか?
16 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
ロボット達の描写が、とにかくリアルかつ新鮮で面白い!

現実のロボット工学研究の進展具合をよく見極めて書かれてある。

ハインラインの「宇宙の戦士」と並ぶ、SF傑作と言っても過言ではないだろう。

ロボットは生きているわけではなく、またその存在も容易にコピーすることができるので、生物と異なり「かけがえの無い」存在ではなく「死なない」存在であるがために、危険な作業にも従事できるというポイントをよく抑えてあると思う。

従来のロボットSFは、主人公格のロボットが、世界に1台しかないという「かけがえの無いもの」だったり、ロボットに主人公が乗っていたりして、ロボットが壊れると主人公の命も危険にさらされるという設定で、物語に深みを持たせるものが多かったが、この作品は全く違う視点からロボットを描いている。

この長所を生かしてロボットを研究開発していけば、危険の伴うレスキューや警備などでもその威力をロボットが大いに発揮することになるだろう。そのことに気づかせてくれるという意味でも、このSF小説を読んでみる価値があると思う。
このレビューは参考になりましたか?
21 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
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形式:単行本
まず冒頭の「遺書」に圧倒される。小説で実在の人物の遺書を書いた作家は、世界でも初めてなのではないか。

この部分は未来予測というより、この小説に書いてあるとおりのことを実践すれば、こういう利害得失がある、と示すことが目的なのではないか。

メルマガでも示唆していたが、著者は、北朝鮮の拉致事件の被害者のなかでほんとうに死んでいるのはだれかを知っているフシがあり、その意味でこの遺書は「さっさとあきらめて、国全体の安全を考えろ」と言っているようにも取れる(しかし、明らかに拉致問題への怒りの表明と取れるシーンもある)。

そしていよいよ、本題の「ロボット」の登場。

この小説に出て来るロボットは、いままでのSF小説やマンガやアニメのどれにも似ていない。さすがに著者が研究の現場をまわって現実に開発されているロボットを100体見たというだけあって、不気味なほどリアリティがある。

 たしかに人型のロボットは出て来るが、そのロボットには顔も背中も、前も後も、もちろん心もないし、さらに頭脳もない。完全なあやつり人形、「遠隔マリオネット」で、人が動かさないと動かないから、たぶんアシモフのロボット三原則は適用されない。

 著者は、ロボットを軍事利用することの最大のメリットは死なないこと、と見抜いた。だから、攻撃されてもあわてて反撃する必要はないし、破壊されても死ぬわけではないから、簡単に使い捨てにできる。どう考えても人間の兵士より使いやすい。

 自民党が憲法を改正したら、日本に軍国主義と徴兵制が復活して若者が戦場で戦うことになる、なんて言う人がいるけど、そんなことはもう技術的にありえないんだということがよくわかる。

 「機動戦士ガンダム」のガンダムなどをさすリアルロボットという言葉は、この先何百年経ってもなんのリアリティーも持ちえないから死語になる、と言い切ってしまう著者に脱帽。

 いままでSFやアニメで見てきた「ロボット」は、アシモフのSFのもガンダムも含めてみんなただのオモチャだったのだ。
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