主要キャラクターの美形度を褒め称えて、その能力の高さを礼賛して、「いいキャラ」は彼らの外見にくらくらしないキッパリ系。
最近出される作品を読む度、作者がそんな彼らに自家中毒を起こしているような気が致しますが、その気になれば星どころか世界丸ごと吹っ飛ばせる設定のキャラクターが解決する事件の犯人というのが、「自己陶酔の激しい思い上がったセレブ系のアホ」か「気色悪い性犯罪者」の2パターンしか無いのは流石にそろそろ飽きてきました。
けれどそれだけであったなら、例え基本的に主要キャラが「仲間」以外の人間を決して対等には見ず、上から目線で「助けてあげる」物語であってもああまたか、と思っただけだったかもしれません。
ですが、この物語の中で、ヴァンツァーが「普通に笑いかける」少女として、以前に視力を失って、今は奇跡的に回復したという設定の少女が出て来ます。
そんな彼女にまつわる描写の中で、後天的に失明した人々は、同じ境遇だった相手が視力を取り戻した場合、「どうしてお前ばかりが」と妬むばかりで心から祝福することは出来ない、というものがありました。
その前に、視力を失ったばかりの方に「あなたの気持ちは分かる」というのは禁句だ、と如何にももっともらしいことを言っていたのに、それは理解を示しているフリをしているだけで、作者は本当に失明した方々と正面から向き合ってそういったことを書いているのではなく、ただ単に「急に視力を失った人はきっとこんなに辛いはず、だから他人の幸運を祝福することなんて出来る筈がない」と、自分だけの価値観で勝手に想像しているだけなのだな、と感じて、正直不快でした。
平凡な「一般市民」である一読者としては、主人公達が周囲の「一般市民」を決して対等に見ようとしない物語にそろそろ胸焼けがしてきたことですし、今後はこのシリーズを読むにしても立ち読みで済ませると思います。