深夜に藤原新也さんが携帯小説の作者を訪ねて話を聞くという趣旨の番組があって、そこで「これらの作者の名前には概ねファミリー・ネームが欠けており、」ということを述べていたことと、作者が近所に住んでいるということがきっかけで、本書を手に取りました。ストーリーは、その昔、最年少でなにかの文学賞を受賞して話題になった堀田あけみさんの「アイコ16歳」を思い出していただければそれで事足ります。しかし、「ケータイ小説だから」という理由になるようなならないような押し切られ方をするのかもしれませんが、読んでいてまず印象に残るのは、誤字こそ出てこないものの、言葉遣いの不適格さと、頻出する「・・・」の不可解さです。「舞」を通じて語られているはずの視点が「舞」からずれていくことがしばしばあることも、一歩引いて考えてみれば興味深いことなのかもしれませんが、物語としての整合性を損なっているようにも思われました。全体的に小中学生が読む恋愛漫画を稚拙にノベラライズしたものを読んでいるような気持ちになりました。ただ、高校生くらいの子供が本書を読むこと自体を否定するつもりは決してありません(スプラッターや性的なものをあまりに強調した一部の例外を除けば、ドラマにしろ映画にしろ、少しでも多くの物語に接しなければならない年齢だからです)が、最初に書いたようなきっかけで本書を手にしようとしているR40の方がおられるなら、わざわざ買って読むまではないと一言最後に申し添えて置きたいと思います。