囲碁を覚えた頃にどんな本に出会うかは、その人の上達に大きな影響を与えるだろう。僕が、二桁級から初段へ向かって上達するにあたり、もっとも影響を与えてもらった本がこれだ。中2で本格的に始めて、高校に入ったときには初段くらいになれていた。
天下の誰に対しても5子置けば負けない、ための戦略という趣旨の本だけど、一般的な置き碁必勝法とは一線を画す。碁の打ち方、勝ち方、考え方が、5子局の打ち方をベースに徹底的に語られている。上達したいのに、そのために一生懸命になってるつもりなのに、なかなか前進しない、その理由がわからないというときに読めば、きっと目からウロコが何枚か落ちるだろう。
何故そうなるか。5子局というのは、4隅と中央という布石の大所をすべて占めていて本当は黒が負けようがない。なのに、いい勝負になってしまうのは、大局観や考え方の差が出てしまうからじゃないか。それを克服する手助けをこの本はしてくれる。「必勝戦略」で会得した方法論は、もちろん互い先にも応用がきくものだ。巻末には、プロ同士の5子局も掲載されている。昔、並べながら互い先感覚で置き碁を打つスリルに興奮したのを思い出す。
子供の頃に何度も読んだ講座に、また今日出会えるなんて思わなかった。