本書は、日本の地域差による食の違いに素朴に疑問を感じ、食の境界線についてネットを利用してクチコミ調査を行うとともに、東海道を自らの足で地道に確認して調べ上げています。
405頁と読み応え十分であり、身近な食文化を興味深く感じることと思います。
転居した後の食は慣れるとはあると思いますが、誰しもが生まれ育った地域での食、言い換えれば”おふくろの味”というのは忘れてしまうことがないのです。
物流がロジスティックス化され、情報が豊富になり共有化され、食の交流と均一化が進もうとも、頭の中でふるさとの記憶を辿るあの味、あの食べ物を指す言葉はいつまでも変わらないものだということです。
端的に言うと、日本人もアメリカ人も普通にパンも米も食べますが、パンと米とどっちを取るか、どっちが馴染みやすいかとなると、日本人は米であり、アメリカ人はパンを手に持つことでしょう。
食を中心に郷土文化を大切にしていくことが、世知辛いご時勢であっても、力強く生きていくこころの支えになるのではないかと思います。
それにしても本書はニッポンの食文化に対してのこだわりの一冊であり、ぜひ一読する価値があると思います。