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天の鹿 (福音館文庫 物語)
 
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天の鹿 (福音館文庫 物語) [単行本]

安房直子 , スズキコージ
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

安房直子の代表作のひとつの文庫化。鹿撃ちの名人、清十さんの三人の娘たちはそれぞれ、牡鹿に連れられ、山中のにぎやかな鹿の市へと迷いこむ。三姉妹は市での振舞いを、牡鹿に見定められているようなのだが、姉たちの言動に鹿はくるしげな様子をみせるばかり……。末娘みゆきと牡鹿との、「運命のひと」を想うせつなさあふれる物語。りんと冴えわたった安房直子の文章に、きらびやかなスズキコージの絵が寄り添う。(解説 堀江敏幸)

内容(「BOOK」データベースより)

安房直子の代表作のひとつの文庫化。鹿撃ちの名人、清十さんの三人の娘たちはそれぞれ、牡鹿に連れられ、山中のにぎやかな鹿の市へと迷いこむ。鹿は、娘たちの振舞いに、あることを見定めようとしているようなのだが…。末娘みゆきと牡鹿との、“運命のひと”を想うせつなさあふれる物語。

登録情報

  • 単行本: 160ページ
  • 出版社: 福音館書店 (2011/1/25)
  • ISBN-10: 4834026167
  • ISBN-13: 978-4834026160
  • 発売日: 2011/1/25
  • 商品の寸法: 16.8 x 12.4 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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形式:単行本
ヒルルルルル・・・・
月も宵闇にひり出される様に、ぽかりと、天に現れ始める頃。山中に鹿笛が魔笛の様に木霊していた。初老の、男。三人の娘っ子を思い起こしながら、村一を誇る自らの鹿笛に言い知れぬ予感を乗せていた。
「今日は、大きな獲物が獲れるに違いない・・・」

そして。追いすがる誰かを嘲笑いながら振り払い今日も、去り行くかのような夕闇を背に、「彼」は降り立った。最後に会ったのはいつだったか。思い出せないような立派な牡鹿。
   「やめておくれ。」すがる訳でなく。優しく厳かに紡がれたことば。「彼」は気付いていた。岩陰に潜む、人の子が作り出した冷たい鉛の塊りが、自分の眉間を狙っている事を。

 今日に限ってやけに手が振るえ、旨く定まらない猟銃を持ち直そうとしていた男は、悲しげにも聞こえるその声に気付かされた。奴は、この鹿は、鹿笛に誘われずして此処に来た。きっと其処には何か・・・

・・。     「代わりに」 牡鹿は深い瞳を揺らしただろうか?直視されているはずなのに逸らせないままなのに、男には底まで読み取れない。まま。「代わりに、鹿の市に連れて行ってあげよう。」牡鹿の言葉に引き寄せられて、その背に跨ったのだった。

初めて行く、鹿の店員だけが出店を連ねる鹿だけの市。
珠敷きの店の暈の中、たった一人の人間。

無事家路にも着き、その夢のような体験を娘たちに語って聞かす男。
二、三何かを尋ね、去っていった牡鹿。
鹿の市の華やかさに憧れ夢馳せるは娘と娘。そして、彼を案じるも一人。娘。
しかし、鹿と一家との不思議な交流は ここから、 或いはもっと
 昔から?  続いてゆくのである・・・

「出会うことを恐れるなら、きっともう昔にすませてしまっていた。
だからきっともういまは、ただ会うことを望んでいる・・」

葡萄酒、お祭り、首飾り。絹の反物、ぴかぴか暖かいランプは半端に誰かの何かを守って。安房直子の不思議で、暖かいけれど胸を挿す。そんな独特の感覚を一番感じられる物語は、此処にあるのではないでしょうか?そう思わせる、私が世界で一等好きな本です。牡鹿の求めたものは何だったのか。幸せは何処から感じ始めましたか?安房さんワールド大炸裂!読めば其処が都です!!この安心感をあなたにも・・・、欲しい人から、とどきますよう・・・祈りは鹿に、伝えときます。

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