【あらすじ】
病気の母親の為に伝説の《明蓮花》を取りに竜成山を訪れた杏麗《あんれい》。
そして偶然にも、本来人間が立ち入ることの出来ない山頂に辿りついた杏麗は、
そこで沐浴している青遼《せいりょう》を見てしまう。
下界で異性の人間に裸を見られた神人は、その者と結婚しなければならない。
掟に従い、神人である青遼に天界へと連れ去された杏麗は、結婚して子を成す
よう求められる。好きでもない相手と閨を共にするなんて絶対に嫌だと抵抗す
る杏麗は、母の病状を案じ何とか天界から逃げ出そうとするが――
【感想】
『
三千寵愛在一身(コバルト文庫)』シリーズが好調なはるおかりの先生。
ルルル文庫では『
女王家の華燭』以来ですが、作風は変わらずいつもの
葵木先生=はるおか先生の作品です。後宮もので初夜もちゃんと付いて
きます(笑)
葵木先生=はるおか先生の他作品を既に読んでいる方ですと、またこのパターン
なのか……と思われると思います。天界もの……ということでいつもと違う作品
を期待しがちですが、本当にいつもの先生の作品です。
最初は冷淡で素っ気ない青遼ですが、中盤に差し掛かった辺りから、ヒロインの
杏麗にメロメロでした。いつもの如く糖分多めで、甘々です。若干、ヒーローの
態度が変わりすぎで不自然な感もありましたが、そこはもういつもの葵木先生の
作品だと言うしかないのでしょう……。
しかし、ヒロインを桃に例える描写等は『女王家の華燭』や『三千寵愛在一身』
でも登場しますので、これだけ同じような描写が続くとそろそろ食傷気味になっ
てしまいます。作品一つ一つに個性を持たせる為にも、今後は描写もそうですが、
ストーリーの展開にも既視感のないものを期待したいと思います。
天界の描写はとても煌びやかで良かったのですが、ストーリーの展開自体はあり
きたりで、終わり方も含めて真新しさは全くありませんでした。その分、安心し
て読める作品とも言えますが、同時に印象に残りにくく、良くも悪くも無難な作
品に仕上がっていると思います。