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彼らは確かに数十年、互いを思い、一途に生きてきたかも知れない。
(主人公がその人妻を思い始める契機は、いささか無理な展開だったようには思うのだが…)
しかし、「会いたい」という現実離れした思いは、いささか稚拙であり、また傲慢でもある。
彼らは、互いにとって自分が十分な、幸せを与えうる存在であるかを問わないし、
現実的に(経済的に、あるいは社会的に)満ち足りた生活を与えうるための努力もしない。
ただただ数十年、互いへの愛着を言葉にするだけである。
私が彼らを「ストイック」だと思えないのはそのせいだ。
単に身体を重ねていないというだけのことで、
彼らは十分以上に、言葉によって、互いへの思いを吐露してしまっているのだ。
時代を考えれば当然な描かれ方かも知れないが、
現代に生きる我々にとっては、若干「冷める」感じは否めない。
外国人の読者がこれを読んでどう感じるのか、気になるところである。
しかし、「恋愛」のあり方について考えさせられる一冊ではある。
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