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光太夫研究については、1次資料としては「北槎聞略」が有名で、ほかに「北槎異聞」などもあるのだけれど、実は、郷土史家や本書の著者などの緻密な研究の結果、最近、いろいろな新事実(新文献)が発見されているのである。吉村昭の「大黒屋光太夫」は、そういった研究成果の成果品とも言えるものだが、本書は、現時点での光太夫に関する知見を総論的にまとめたもので、実はたいへんに「イキのいい」本なのである。
著者の山下氏は、光太夫とともに日本に帰りついた磯吉の供述文書「魯西亜国漂舶聞書」の発見者あり、この資料の発見の事実が、吉村昭氏の「大黒屋光太夫」の執筆動機になっているらしい。
図版も多数掲載されており、とくに地図いくつか掲載されていることが、この手の本としては意外と珍しく、新鮮であった。
光太夫の足跡をたどってみるとたくさんの有名な人に出会ったのだなあと思いました。
特にキリール・グスタヴォヴィチ・ラクスマンに私は注目しています。
彼はスウェーデン領サヴォンリンナ(現フィンランド)生まれだそうです。
ということはキリールが最初に日本人と会ったフィンランド人ということになるのではないでしょうか?
北欧に関心のある私にとってワクワクしてしまいました。
そして山下氏が後半で松平定信がロシア交易をすでに考えていたという指摘は大変興味深かったです。
「オランダ風説書」などの研究が進めば明らかになっていない「事実」が出てきそうです。
一漁師がたどった波乱万丈な「物語」、すなわち「歴史」が描かれていました。
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