前半は「復興の財源がない」、「日本の財政赤字は大きい」、「日本の財政は破綻寸前」、「公共投資は悪である」、「もう日本に道路建設はいらない」……こうした、世にはびこるウソに対する解説がカタログ的に紹介されている。こうした話に初めて触れる方には驚きもあるだろう。ただ、高橋氏や三橋氏の他の著作を読んでいる人にとっては、すでに見たことのある主張が大半になる。
後半は、震災で発生した問題に対して「こうやって対処したらどうか」という提案が並ぶ。中には「えっ」と思わせる意外なものもあったが、おおむね前半からの主張と連動したものになっていて、一定の説得力がある。
短い本なので、あくまで表面的な疑問の解消、表面的な提案にとどまっている。さらっと流し読みするのに向いた本だが、そうして読み終わった読者の頭には、あらたな疑問が次々とたちあがってくることになるのではないだろうか。
しかし、この種の本を読むときいつも疑問に思うのは、財務省がなぜそんなに増税にこだわるのか、ということだ。本書ではなぜ増税が財務省の省益になるのかについて触れた一節がある。増税後にはおおむね軽減措置の話が出てくるが、その差配は財務省に一任されており、うまく立ち回れば天下り先が増えるからだという。たかがそれだけで、こんなに必死に増税したがるものなのだろうか。
増税して歳入が増えないのは、1997年に消費税を増税して以後、税収が1997年を上回った年は一度もないことからも明らかなのに。