まず特筆すべきは、文庫本であるのにオールカラーの装丁で、しかも安い。そして文章を読ませるよりも、ビジュアルメインの魅せる本になっています。
基本的には、まず昔の絵葉書(明治・大正・昭和初期)を紹介し、この絵葉書と同アングルの現在の写真を並列掲載し、簡潔な解説と共に、比較しやすいようになっています。またこの現在の写真については、撮影ポイントの位置と方角のデータも地図上で記載し、実際にその場所で追体験できるようになっています。文庫サイズにしたのは、この際に気軽に持ち出せるように、との配慮でしょうか。
とにかく図版をふんだんに使っています。前述のものに、絵葉書に描かれたものの解説用の図版や、新旧地図。場所によっては、絵葉書と古い写真、今の写真と3時代にわたって紹介されているものもあり、とにかく楽しませてくれます。解説文もあまり長くなく、気軽に読む事ができます。文字サイズも文庫にしては大きめで、個人差はあると思いますが、うちの70歳オーバーの母親でも読めました。しかし、図版だけをさっと眺めるだけでも充分に楽しめますし、解説を読んで、ちょっと賢くなった気分になるのも一興かと。
私は大阪の人間ですから、これは御当地本でありますが、あまり大阪に縁のない方にはどう楽しめるのかは分かりません。実際、これまでのシリーズである東京、横浜の本は買っていませんでしたから。しかし、逆に大阪に親しみのある方には、大いにお勧めしたいと思います。うちの近所の本屋さんでは、ほとんどの店で平積みされていました。しかし他府県ではどうなのでしょう。やはりこう云う場合は、通販が威力を発揮するのですね。
とりあえず700円弱、軽い気持ちで手にとって楽しんで貰えればと思います。