関西弁で語られちゃあかなわんよ、いったらなんだけど、まああざといよな。
クッサイ話も、「そやなぁ」「勝てへんなぁ」ってくにゃっと言われたら、
なんだか心に響いて、泣けちゃうんだよ!
とか思いながらも、この「大阪ハムレット」がすごい作品なのは、
もうどうしようもない事実。そして、どうしようもなく泣けてしまうんです。
登場するのは、どの人も皆、家族の愛情に恵まれず、少なからず
「ふつう」「あたりまえ」の育ちかたができなかった人たちだ。
それは自分の意思に関係なく、いやおうなく、そうされてしまったということ。
だからこそ彼ら彼女らは、その宿命にあらがおうとあがき、握力を鍛え続け、
ただでは転ばない。
誰のものでもない、自分自身の幸せをその手でつかむ為に。
それはきれい事をこえた人間の強さであり可能性で、それがこの簡単な絵と
短い台詞で描かれているからすごいのである。
でもさ、このしたたかさ、めげなさをして、怖いずるい、お里が知れるなどと、
あしざまに言う人もいるんだろうな。世間ってそういうものだもんな。
なめんなよ。今よりもよくなりたいと願い、かなえるために、
最大の努力をすることのなにが悪い。近道を探して、何が悪い。
暗く寂しい日陰で芽を出した草花が、首を長く長く伸ばして、
なんとかしてお日様に当ろうとするように。
自分を幸せにするために、必死で生き抜く人間の姿は尊く、美しい。
そんな真実がしみるから、この作品で泣ける涙は超しょっぱいのだろうと思うのです。
ぎゅうっと、濃いのが出るので覚悟!