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大阪のスラムと盛り場―近代都市と場所の系譜学
 
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大阪のスラムと盛り場―近代都市と場所の系譜学 [単行本]

加藤 政洋
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

本書は、ヴァルター・ベンヤミン『パサージュ論』の一文を導きとして、現在では「ミナミ」として知られる大阪の旧市街地南部の歴史を1880年代(明治中期)~1920年代(大正・昭和初期)のなかで観察し、盛り場、貧民街、市場、商店街、遊廓など、さまざまな場所の創出や変容、そしてその消滅を「場所の系譜」としてたどり記述する試みである。

内容(「MARC」データベースより)

ヴァルター・ベンヤミン「パサージュ論」の一文を導きとして、現在では「ミナミ」として知られる大阪の旧市街地南部の歴史を明治中期から昭和初期にかけて観察。盛り場、貧民街、市場、商店街、遊廓などの場所の系譜をたどる。

登録情報

  • 単行本: 223ページ
  • 出版社: 創元社 (2002/04)
  • ISBN-10: 4422250272
  • ISBN-13: 978-4422250274
  • 発売日: 2002/04
  • 商品の寸法: 19.2 x 12.6 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By sasabon #1殿堂 トップ10レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
本書は大阪の「ミナミ」の盛り場の形成史です。その前段階としてスラムの排除が語られています。社会経済史、風俗史の観点からも興味深い考察が並んでおり、現代の大阪を知るために、その形成過程であった1880年代(明治中期)〜1920年代(大正・昭和初期)の事象について資料を元に丹念に実証した著作で、知的好奇心をくすぐる考察力が感じられます。

各章を並べますと、本書の構成が理解しやすくなると思います。
大阪の「市区改正」計画―悪疫流行時の衛生行政を中心に、「名護町」取り払い計画―大阪初のスラムクリアランスをめぐって、木賃宿街「釜ヶ崎」の成立とその背景、黒門市場の成立事情、盛り場「千日前」の系譜、飛田遊廓以降の花街と土地開発、消費される都市空間―遊歩者たちの足どりと語り、です。

千日前が近世において墓所であり、刑場であったことはよく知られています。明治維新以後、刑場が廃止され、火葬場も墓地も阿倍野へ移った時から、千日前は再開発されるようになりました。見世物小屋の集結が見られたのも1873年以降だと記しています。そして日本一の繁華場と称されるほどの活動写真館が建てられたのも1900年以降の話です。資料と写真で当時評判になった「楽天地」について162頁に詳しく掲載してあります。「キッチュな大建築物」ですが、大阪の先進性(モダン)を代表する娯楽施設でもありました。

1920年代以降は、心斎橋筋に出来た大丸と十合の百貨店や、その商店街の繁盛ぶりにも言及してありました。当時の写真が、世相や風俗を浮き彫りにしてくれます。学術的な意味もあり、知的な読み物としても格好の書だと思いました。
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10 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
一般的に日本の近代を捉える視点としては
1.前近代(江戸時代)⇒近代(明治以降)の連続のモノとして見る視点
2.前近代と近代は別物で連続性はない
  という二つ視点がある。
現在は2の視点の方が説得力があるように見られているが、この本では大阪の近代化に照らして2の説を唱えている。

著者は大阪の近代化という「男性・中産階級・知識人・日本人」の功利のために、大阪の中心街(ミナミ)から弱者を排除し、差別していく様子を千日前・黒門市場・新世界など大阪人ならずとも一度は聞いたことのある地名の歴史と共に紹介していく。

また膨大な資料をもとに、従来の説を否定しているが、説得力があって面白い。この作品を著者が大学院時代に書いたものらしいが、素晴らしいの一言に尽きる。今後の研究も楽しみだ。
個人的には江戸時代から飛田新地があったと思っていたので、それが明治以降にできたことにはびっくり。

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形式:単行本
大阪西成区「釜ヶ崎」の成立過程やその、それまで言われてきていた形成過程が実際には異なっていたことを明らかにしています。
非常に分かりやすく読みやすい本であり、学部生の自分にも非常に理解しやすいです。

多くの新聞記事などの多くの資料を参考に書かれていて裏付けも非常にはっきりしている。
また、地理学の本であるのでわかりやすい地図はもちろん、歴史学的な史料や写真資料、統計データなどの図表もあるので理解の手助けになります。

実のところ、この本を手に取るまでに『地域調査ことはじめ』(ナカニシヤ出版)で筆者のことが紹介されていて本書が、文献だけでなく筆者のフィールドワークの苦労の詰まった本であることを知っていたので、より一層理解が深まったように思います。

地理学だけでなく、社会学で盛り場の研究をするのにもってこいの本だと思います。
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