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大貧困社会 (角川SSC新書)
 
 

大貧困社会 (角川SSC新書) [新書]

駒村 康平
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

アメリカ発の金融恐慌の影響で、未曾有の世界的大不況になっている。この影響でバブル経済後に起こった「格差と貧困」が、より一層深刻化することは間違いないだろう。脆弱な社会保障政策の影響で、今や大貧困国になってしまった日本は、今後どのような道を進むべきなのか?福祉・社会保障の専門家である著者が、暮らしやすい国・日本にするための処方箋を説く。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

駒村 康平
1964年千葉県生まれ。1995年慶應義塾大学大学院博士課程単位取得退学。社会保障研究所、国立社会保障・人口問題研究所、駿河台大学経済学部助教授、東洋大学経済学部教授を経て、2007年より慶應義塾大学経済学部教授。経済学博士。厚生労働省社会保障審議会臨時委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 202ページ
  • 出版社: 角川SSコミュニケーションズ (2009/01)
  • ISBN-10: 4827550581
  • ISBN-13: 978-4827550580
  • 発売日: 2009/01
  • 商品の寸法: 17 x 10.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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21 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By KOH
形式:新書
現状分析は多方面にわたり、偏らず、的確に事実を照らしており、
単純な自由主義による競争社会批判に留まらない記述は好感が
持てる。
さらに、最終章の年金改革案は具体的で論点が明確だ。
しかし、どうもビジネスパーソンとして、この本を読むと
「よくできた官製レポート」の側面があることも否めない。
老後資金の準備は自助努力の積立のウェイトがもっと高まると
思うし、また、キャリアラダー制度は、現場からみると
「きれいごと」過ぎる。
ただ、このような批判を喚起するだけの問題提起が、本書にはあり、
興味ある方は一読してほしい。
このレビューは参考になりましたか?
29 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By いせむし トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
現在もヒットしている「ルポ 貧困大国アメリカ」と同じく、
新自由主義に基づく規制緩和が中産階級を弱らせて、
ワーキングプアを増大させ、貧困が社会問題化していると、
本書は現状分析しています。

問題はそれはアメリカではなくて日本だということ。

私たちが知らない間に、
日本の貧困率は世界でも高い水準に到達してしまっていたのです。
財政は破綻寸前、少子高齢化は進行中。
本書の描く日本の姿は絶望的に見えます。

経済的なセイフティーネット、医療、年金制度、これら の社会基盤まで「崩壊しつつあり」、
最後に教育格差まで世代間移転が発生していることが示されます。
ここまで読むと、相当ショックです。

一方で著者はこういう八方塞がりの日本へ向けた処方箋を書いています。
貧困解消を最初に手を打つべきと言っています。
格差社会の解消へ向けての議論は、
従来は社会システム的な観点が中心であったように感じますが、
本書では「貧困の解消」という、
より具体的な課題設定をしているため、
方向性にはうなずけるものがありました。

大変読みやすく勉強になりました。
著者には続編を期待します。
このレビューは参考になりましたか?
28 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
公正でバランスの取れた当書の分析が五つ星に値するのは間違いない。『貧困大国アメリカ』や『子どもの貧困』のような、自己正当化と責任転嫁を助長する本の跋扈に辟易する、良識ある方々にお薦めする。

有権者の自己欺瞞にも鋭く切り込むこの本の切れ味の一端を紹介すると、以下の通りである。

○雇用を支える手段は二つ。消費者の人件費コスト負担増か、国民の税・社会保障負担増
○支払った保険料に見合った額に調整すると、今の高齢層の年金給付額は3〜4割高い
○生活保護の世代間継承の原因は、家庭での生活習慣と教育軽視、自立意欲低下にもある
○調査によれば、将来を軽視し目先のことばかり考える者は年金保険料を支払いたがらない
○高齢層が貧困に陥る最大の要因は、年金未納である
○国税庁が年金保険料を徴収するスウェーデンでは、年金未納は発生しない
○日本の家族・子ども向けの公的支援は先進国中、最低。本来は有効な社会投資のはず
○「小さな政府」と「貧困の解消」は両立不可能(=今の税率では貧困改善は不可能)
○成長率も一人あたりGDPも高い北欧の政策を参考にすべき

最も驚いたのは、駒村教授が講演で公的年金破綻の可能性を警告すると、「年金が破綻しようがどうでもいい。自分たちの年金だけ減らされなければいいのだ」「自分たちは苦労したのだからご褒美を貰って当然」と反論する高齢層が一人や二人ではなかったという逸話である。日本の世代会計がこれだけグロテスクな世界最悪の数字になっているのも道理だ。日本は「シニア層の植民地」なのかもしれない。

一方、物足りないのは政策提案である。育児・介護など福祉分野と医療分野で雇用を大幅に増やして社会保障財源を支えること、明らかに資産と年金給付の多い高齢層に相応の負担を求めることが絶対に必要だろう。
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