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大衆食堂パラダイス! (ちくま文庫)
 
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大衆食堂パラダイス! (ちくま文庫) [文庫]

遠藤 哲夫
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

そこは上京者の故郷。そして日本人が近代このかた食べてきたものの、記憶の集積所。「大衆食堂」の愉しみ方ガイド。気取らず、力強く飯を食え!

内容(「BOOK」データベースより)

「大衆食堂」…上京者にとっては、消えてしまった故郷に最も近い場所。サバ味噌定食と、うどんとカレーとステーキと、ジュースが平気でならぶその場所はまた、日本人が近代このかた何を食べてきたのかを示す、記憶の一大集積所でもある。そんな日本の「大衆食堂」の数々をめぐって紹介し、その魅力、愉しみ方、めしくう快楽を語りつくす。日本人よ、今こそ、気取らず力強く飯を食え。

登録情報

  • 文庫: 355ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2011/9/7)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4480428593
  • ISBN-13: 978-4480428592
  • 発売日: 2011/9/7
  • 商品パッケージの寸法: 15.4 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 215,041位 (本のベストセラーを見る)
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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 男性的視点からの食堂讃歌 2011/10/15
By 港町奉行 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
Amazon.co.jpで購入済み
男性的視点、田舎者的視点、ブルーカラー的視点からの大衆食堂讃歌です。
資料的価値を求める方にはあまり役立ちませんが、
煮えたぎるパッションを隠さない、熱い咆哮には耳を傾ける価値があります。

食堂に独りで入れない若者の増加を嘆き、
ブルーカラーの桃源郷としての食堂のトリビアリズムを語る、
その筆致には東京者の心臓をも掴んで離さない、不思議な魅力があります。
筆者自ら「売れない本」と認めるように、ちくま文庫版の初代作、
「汁かけめし快食学」はとうに絶版となっているけれども、
その時代逆行的な(?)論調こそ、現代に求められる
荒々しくも優しい人間の哲学とも映るのです。

それは「都会においての人間性の復権」に違いありますまい。
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2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 大衆食堂がある日常っていいよね。 2013/4/26
By 一市民 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
大衆食堂に関するWEBサイトも運営する著者による大衆食堂礼賛のエセー。

今でこそ、清潔で閑静な分、少し退屈でもあるサバービアに暮らし、大衆食堂とは
すっかり縁遠くなってしまった私だが、若いころ一人暮らしをした下町には、賑やかな
商店街に何件もの大衆食堂があり、よく食事をとったものだ。遅くなった帰宅の途中
そこで少し濃いめの味付けのおかずと山盛りのごはん、安めの燗酒でしめる一日の終わりは
何物にも代えがたい至福の時間であった。

本書は著者の体験談や著者が好きな大衆食堂の紹介、大衆食堂史の解説を通じて、そんな
大衆食堂に特有の、生命力にあふれた幸せな気分を追体験させてくれる至福のエセーである。

本書を読んで慧眼だったのは、大衆食堂というありふれて普遍的に見えた営業形態が
実は極めて一時代的、一世代的なものであるということだ。日常的な外食産業には江戸時代
から続く一膳飯屋や蕎麦屋などの系統があるものの、なんでも食べられる大衆食堂という
営業形態は、戦争直後の食券食堂を経て戦後に完成されたものらしい。それには当時の
食糧事情の貧しさも手伝っているし、地方共同体の崩壊と急激な都市化により、地方から
上京してきた人に食事と憩いを提供する求心力のある場としての必要性も手伝った。

著者自身の体験として語られる、集団就職で新潟から上京してきた孤独な自身の心の
ふるさとが大衆食堂であった、という事実は、まさに一定数の団塊世代の心象風景を
描いた秀逸な分析として大変に興味深い。高度成長にともなって日本の伝統的な共同体が
解体〜再編されるプロセスが、食の視点で語られるからだ。

同時にきわめて一時代的なものであるがゆえに、本書で紹介される大衆食堂の多くが
後継者不足で高齢化していたり、既に廃業していたり、という厳しい現実も突き付けられる。
本書でも糾弾されるバブル以降の上っ面だけのグルメ志向に、大衆食堂的な泥臭さは
逆行しているし、時代にあわなくなっている店が増えているのも確かなのだろう。
ただノスタルジアだけで片付けてしまうには割り切れない、なんともいえない寂しさが残る。

しかしそんな中、本書で紹介される何軒かの大衆食堂は時代の流れもものとせず
庶民のパラダイスとして健在で活気あふれている。そんな店やお客の描写を読むのは
うれしい。東京板橋や神戸三宮近辺の元気な大衆食堂街、私も行ってみたくなった。

団塊の世代の同時代の熱すぎる胃袋の記憶を封じ込めた本として、同世代ではない私も
熱くさせられた本だった。私の世代だと、著者の大衆食堂に相当する場所はどこになるの
だろうか。サードプレイスを標榜するスタバなんかはちょっと気取りすぎているし。
本書を読んで以降、食に関してそんなことを考えるようになったのも楽しい。
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