男性的視点、田舎者的視点、ブルーカラー的視点からの大衆食堂讃歌です。
資料的価値を求める方にはあまり役立ちませんが、
煮えたぎるパッションを隠さない、熱い咆哮には耳を傾ける価値があります。
食堂に独りで入れない若者の増加を嘆き、
ブルーカラーの桃源郷としての食堂のトリビアリズムを語る、
その筆致には東京者の心臓をも掴んで離さない、不思議な魅力があります。
筆者自ら「売れない本」と認めるように、ちくま文庫版の初代作、
「汁かけめし快食学」はとうに絶版となっているけれども、
その時代逆行的な(?)論調こそ、現代に求められる
荒々しくも優しい人間の哲学とも映るのです。
それは「都会においての人間性の復権」に違いありますまい。