大腸内視鏡挿入法について書かれた本は多々あり、その多くを読んだが、どの本も抽象的な側面があり、わかったようなわからないような読後感を抱いていた。
この本は、腸の部位において具体的なストラテジーが明確に書いてあり、それがなされているのは私が読んだ本の中ではこの本のみである(勿論全ての挿入方の本を読んだわけではないが)。
初学者(特に指導者がいない施設の)に押すな、引けといわれてもなかなか理解しがたいし、right turn shorteningやhooking the foldという用語の概念も漠然としていて、理解しがたいが、この本には押していい部分も書いてあり、また引く方法も具体的に書いてある。
今でも大腸内視鏡施行時にはアトラスと共にこの本を持っていき、終了後自分で問題だと思った部分を読んでフィードバックさせるようにしている。スランプ時の対応法が書いてあるのも秀逸なところで、それを実施することで確かにスランプに陥ることはなくなった(大腸内視鏡を初めて3年経っていない青二才にスランプもくそもないだろうが)。
まだまだ修行中の身であるが、この本を読んでから、自分でも納得のできる挿入ができることが増えてきて、total率も99%を超え、平均挿入時間も10分を切るようになった。