主に千代の富士、朝青龍時代の八百長を告発するとともに、大相撲改革案を提示する一冊。
著者は週刊誌で板井とともに八百長告発記事をよく書いている人です。
この人物に賛否両論があるのは知っていますが、記者として豊富な相撲取材経験を持つだけに、指摘は鋭いと感じます。
今の協会内部の人がいかに自分の立場しか考えていないか、そして狭い世界で八百長が起こる論理は十分に納得のいくものでした。
ただ、著者もまたあくまで「自分の立場」から論を展開しているのは同じこと。
自らどっぷり浸かって取材していた若貴時代の藤島部屋を神聖視し、自分の盟友である板井を相撲協会内の職につけろとまでいう。
そして「自分の頃はこうじゃなかった」と今のマスコミ・記者を批判する。
身内の論理に固執する相撲協会を全面的には信用できないのと同じ理屈で、この著者のいうことを100%鵜呑みにするのも危険なんだと思います。
多分、真実はこの本と一般的な報道の、中間くらいにあるんでしょう。
ただ、それらを意識したうえなら、本書は十分に興味深いですし、著者の「大相撲改革論」は正論だと思います。
賛成するにしろ反対するにしろ、相撲ファンは読む価値はある、と思います。