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大津波と原発
 
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大津波と原発 [単行本]

内田 樹 , 中沢新一 , 平川克美
5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

3.11から約3週間後、文明史的観点から震災と原発事故を論じた鼎談を緊急出版。原発専門家はリスクの全貌を知っていたのか。そもそも原発とは「一神教的」文化の産物ではないのか。原発推進に一役買った「エコ」ブームの破綻と、それに代わる知の枠組み、政治的ムーブメントとは? 刺激的な対話が、復旧ではない真の復興への道筋を示す。Ustreamでも配信された「ラジオデイズ」番組の書籍化。

内容(「BOOK」データベースより)

未曾有の震災後に浮かび上がる、唯一神のごとき「原発」。原子力という生態圏外のエネルギーの憤怒に、われわれはどう対峙し、無惨に切断された歴史を転換させていくべきなのか。白日のもとに晒された危機の本質と来るべき社会のモデルを語り尽くす。

登録情報

  • 単行本: 120ページ
  • 出版社: 朝日新聞出版 (2011/5/17)
  • ISBN-10: 4022508744
  • ISBN-13: 978-4022508744
  • 発売日: 2011/5/17
  • 商品の寸法: 18.4 x 12.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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38 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hamachobi トップ500レビュアー VINE™ メンバー
内田樹氏の著作は好きでよく読むし、中沢新一氏も学生時代(20年ぐらい前だけど)も何冊か読んでいるので、期待して読んだこの本。なかなか、知的興奮を覚えたんだけど、読み進めるうちに違和感を覚えてきた。

まぁ、こういう対談もの、しかもUSTREAMでも流したものを一冊の本にしたということなので、内容の深さが物足りないのはしょうがないし、軽妙なやり取りに終始しているのも仕方が無いと思う。

でも、消防車による注水をブリコラージュだって嘲笑したり、原発を神殿に例えて、それを崇めるのが大事だって言うのは、どうにも違和感を感じた。もちろん、著者の意図を私がきちんと理解できていない、浅読みでしかないのが原因なのかもしれないが、ちょっと怒りを覚えてるくらいだった。

中沢新一氏が「緑の党」を結成するのは結構だし、頑張って欲しいなぁって思うけど、震災後数カ月しかたっておらず、今、まさに、原発問題にどう対処すべきかっていう時に、原発問題を神的、霊的問題にするというのはどうなんだろう?それで、何か、今、解決するか?

なんて書くと、この本が面白くなかったように受け取られてしまうけど、実はかなり面白かった。福島原発問題が落ち着いたら、きっともっと、心安らかにこの本を読めるのだろうが、今読むと、解決策は原発を鎮めるために崇めたてまつるのだ、必要なのは、シャーマンだって読めてしまって、自分の心が抵抗する。ちゃんと読めてないのかぁ。
このレビューは参考になりましたか?
27 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ib_pata VINE™ メンバー
 面白かった指摘は、福島原発の事故で消防庁の放水が行われた後に、フランスの新聞が「これぞブリコラージュ」と書いてあったということや(p.17)、中国が200基ぐらい原発をつくろうとする中で「日本が今経験していることは、近い将来の中国に起こること」という指摘(p.42)。さらには原発反対派が原発は危険だからといって「それみたことか」という危機論は、北朝鮮の危機を言い立てている人間がテポドンを打ってくると嬉しそうにするのと同じロジックというあたりの話し(p.44)。

 また、一番のハイライトは、日本人は「荒ぶる神」と遭遇すると、とりあえず既知のなにかくっつけてアマルガム(合金)にして「わりと恐ろしくないもの」に習合させてしまうというあたり(p.63)。福島第一原発の建屋には青空と雲がエコフレンドリーに描かれていましたが、一方、フランスなどでは原発を神殿のようなデザインにして聖域を意識させるそうです。さらにインドなどは、シヴァリンガに模したデザインということでした。

 レヴィ・ストロースが褒めた日本人の利用できるものは何でも使うというブリコラージュ(bricolage) の姿勢は、水漏れ対策にオムツなどにも使われる高分子プリマーや入浴剤を使うような姿勢を生み、習合する精神は「ノートルダム寺院の風にドラえもんを描いたみたいな」福島第一原発のフレンドリーなたたずまいを生んだんだと思います。《原発建屋に「でんこちゃん」とか、「ひこにゃん」とかの絵が描いてなかったのが、せめてもの救いでした》というのには笑わせてもらいました(p.107)。

 ただ、まあ、ラジオ番組でのトークをそのまま収録して緊急出版した本なので、あまり深く突っ込まれないようにとも思っているんですが、中沢さんが《ぼくは「緑の党」みたいなのをつくろうと思う》というのは、「孫さんにお金を出してもらいましょう」あたりを含めてあまり内容もなさそうだし、ちょっと心配です。
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22 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By デルスー VINE™ メンバー
知識人としては決定的にダメな議論だと言わざるを得ない。

なぜこの言い方がダメなのかは、たとえば環境問題について、
「人間による自然の支配を前提とする一神教」に対して
「存在の連鎖を説くアニミズム」を称揚するような議論が、
日本でも環境破壊が起きることを全く説明できないのと同じだ。

政府や東電の対応が後手後手に回っており、メディアに出回る議論も
近視眼的なものに終始しているというのはその通りだが、
「原発とは一神教的なもので、日本人の伝統とは根本的に異質だから
拒否すべきだ。今こそ緑の党を」では話にならない。
欧米の知識人には鼻で笑われるたぐいのレベルの低さだ。

しかも、ユダヤ人思想家レヴィナスとの親交があった内田氏まで
この発言に感心しているように見えるから情けない。氏のブログに
アップされた西日本への避難提案など、とくに知識人でなくても
誰でも思いつくたぐいのものだ。中沢氏が(元)宗教学者だからといって、
なぜ内田氏や高橋源一郎氏(朝日の時評でやはり取り上げていた)まで、
何かもっともらしいことを言っているように受け入れてしまうのか。
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