宇城師範は常々「日常」ということを強調している。だが、空手がどうして日常に関係するのか。これは私を含めて皆が持つ疑問ではないか。
この点、本書は空手が日常に通ずる証左を示したものと言えよう。宇城師範が空手の話を織り交ぜながら、対談者の胸裡を引き出していることは見事という他はない。そしてこれは学校や仕事における後輩や部下に対しても置換えてみることができるだろう。これが日常でなくて何であろうか。
もちろん、空手をしていない人であっても、一流人の生き方、視点を学ぶ自己啓発としてもお薦めできる。スポーツや芸能にも通じるし、よりよい人生を送る一助となることは間違いない。
ところで、先日対談者の1人である石井みどり女史が不帰の客となられた。この点からも是非早く本書を読んでおくことを勧める。今ならもし本書の対談者に会いたいと思ったならば、講演会などで直接会うこともできよう。しかし時が経てばその限りではない。偉人に会うことは一生の宝物だが、これは経験しないとわからない。