今回のウルトラ映画はある意味「反則」だ。前回に引き続き昭和からD4が続投。そして今の子供たちには馴染み深いであろうメビウス。そして何より平成という時代にウルトラシリーズを完全復活させたティガ、ダイナ、ガイア。8人が競演するという「反則」だけでファンは興奮間違いなしの内容だ。
特に10年以上前に製作され、未だに根強い人気を持つ平成三部作の三人が人間体で競演してくれるというだけで、リアルタイムで見ていた今の20歳前後の世代は歓喜もの。当時リアルタイムで見ていた子供たちの度肝を抜いたティガ、普段は明るいけれど悲しいラストのダイナ、様々なテーマに取り組んだガイア。この3大ウルトラマンと、もはや伝説の存在となったウルトラ4兄弟が共に戦うということだけで、どれだけ興奮できたものか。スクリーンで見たときは純粋に「嬉しかった」。
ストーリー自体はパラレルワールドに設定されているし、所々ツッコミ所もある。ラストは確かに首を傾げてしまうかもしれない。だがそういう「細かい」ことは関係なしにただこの夢の競演を楽しもう!といった内容には好感が持てる。
ティガ世代の自分としては、パラレルワールドのダイゴに最初はわずかながら違和感を覚えた。あの頃のダイゴとは違う。アスカも我夢も・・・。
最初こそそうだがダイゴがミライと出会い徐々に覚醒へと近づいていく過程で、観客も「あの日ウルトラマンを見ていた自分」へと近づいていく。ダイゴもあの頃のダイゴと重なり始め、いつしかそんな彼を見守る観客もあの頃の自分へと重なり始める。
そしていよいよダイゴが覚醒し、別世界の自分とリンクするシーン。思わず泣きそうになった。あのダイゴが帰ってきた。そしてその時には自分もあの頃と完全にリンクしているのだ・・・そこであの台詞。「この世界を、僕が守る!」。スパークレンスを手にし変身。あのファンファーレと共に登場するティガを前に観客は鳥肌を立てずにはいられない!
そしてアスカと我夢も変身!この一連の流れを見れただけでこの映画を観る価値は充分にある。
そして昭和の4兄弟。彼らも覚醒し変身するシーンはシリーズの重みを感じると共に興奮せずにはいられない。特にかつてと同じシチュエーションで横たわるアキちゃんに帰マン世代は涙を流さずにはいられないだろう。
無論突っ込みどころは満載だし、不満がないわけではない。けれどヒロインまで全て当時のキャストが集結した今作を見て「あの頃の自分」に覚醒できない人はきっといないだろうと思う。
この映画は「純粋にウルトラマンが好きだった頃の自分」に”覚醒”できる、そんな映画だと思う。