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主人公は、40代の著作業で、妻は30そこそこ。江戸時代に行けば19歳の芸者が恋人。「遊仙記」というのが「遊仙窟」を思わせる。
現代と江戸時代との対比の必要上、そういう設定になっているのかも知れないが、作者の願望も少しはあるのでは、と思いながら読んでいたが、読み終わって考えたのは、「これは男が主人公でなくてはならない」ということ。
女が主人公で、現代では年上の夫がいて、江戸時代に行くと若い役者が恋人で、というわけにはい!かないだろう。特に江戸時代においては、男ほど自由に行動するわけにはいかないだろうし。女性が書いても主人公は男にするだろう。
全体としては、小説と言うよりは文化論である。特に大きな事件が起こるわけではない。主人公が現代と江戸時代を行き来してその違いについて考える、という話。
江戸時代はこうだった、という説明的な文章が多い。主人公の思考の形を借りて、作者が現代日本を論じるのが5ページも続いたりする。(p111~p114)
また、「中野」の章では、主人公と妻の会話の形で、現代政治論が語られる。
単純に、江戸時代の方が良かった、と言っているわけではない。しかし、現代日本のあり方は間違っている、という意識は強い。
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