07年春刊行の第1弾巻末に「今夏」と続刊予告が出ていたが、じつに“1年遅れ”で第2弾登場である。
大正14年の情景描写は変わらずしっかりしている。お馴染みの女学生たちが友情のために結集し、特訓を重ね、慣れない野球に真摯に取り組む姿は好印象だ。個性や特徴を生かしてポジションや打順が決まっていく様子にも無理がない。
その好意的な気持ちが、明らかな不利を承知で果敢に男子チームに立ち向かっていく、肝心の試合の描写でグラつく。
07年の某Gの開幕戦にヒントを得たらしい一発で相手の度肝を抜き、後はエースの“超遅球”で幻惑しつつ逃げ切りを図る・・・。こうした設定や構成、展開は、ドラマ性を高める手法としてよくあり、これはまだいい。
問題は終盤だ。
アマゾンの紹介文にもあるからネタバレには当たらないと信じて書くが、主軸を打つ巴という子が、なんと“目隠し”をして打席に立つのだ。そして、こうしたシチュエイションではお決まりの結果に・・・。
文字通り「九仞の功を一簣に虧く」エピソード。一気にシラケた。
せっかく、超人だの魔球だの秘打だのとは無縁の、リアリティ溢れる物語だったのに、台無し。
巴は薙刀少女で、集中力を研ぎ澄ます「心眼」の心得がある。だが、目を開けていてもそうそう打てそうにない速球を、いくら気を集中すると言っても、目隠しで打てる、と考えること自体が不自然だし、そもそもこの巴はそんなキャラだという印象がなかったので、余計違和感があった。
彼女たちの魅力や努力に免じて、ここだけを捉えて大減点という無粋はしないが、当初の約束から延ばしに延ばし、待たせ続けた結果がこれでは、ガッカリだ。もう少しやりようがあったろうに、と思うが。
メディアミックス構想が進展してついにアニメ化されるそうだが、くれぐれもおかしな設定や展開にしないでくれ、と願っておく。