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大正幻影 (岩波現代文庫)
 
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大正幻影 (岩波現代文庫) [文庫]

川本 三郎
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

商品の説明

第13回(1991年) サントリー学芸賞・社会・風俗部門受賞

内容(「BOOK」データベースより)

本書は佐藤春夫、谷崎、芥川、荷風らの作品を論じた評論集である。デカダンス、ドッペルゲンゲル、水への憧れ、失われた美へのノスタルジー、死や神経衰弱との戯れ、映像世界への惑溺、植民地体験…。墨田川を原風景として彼らは自分だけの小さな部屋で現実とは異なる淡い夢を見ようとした。大正は激動の明治と昭和の狭間にあって、「幻影」にふさわしい時代であった。

登録情報

  • 文庫: 349ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2008/4/16)
  • ISBN-10: 400602133X
  • ISBN-13: 978-4006021337
  • 発売日: 2008/4/16
  • 商品の寸法: 16.4 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
やさしい幻影 2004/11/14
By カスタマー
形式:文庫
大正時代の作家に関する内容ではありますが、作家に関する知識が皆無でもなんら問題なく楽しめることを保障します!というのも、私がそうだったからです。
今まで、大正時代から昭和初期のいわゆる純文学と呼ばれる作品にはあまり興味がありませんでした。しかし、この本を読んでからというもの、古本屋で佐藤春夫などの作家の全集を迷わず購入してしまいました。それほどに、大正時代の作家、ひいては大正時代そのものにのめり込ませる魅力のある本でした。
新たにわく興味だけでなく、ただなんとなく感じていた「大正時代」に対する不思議な魅力や憧れについて、ハッと視野が開けた気がしました。
私は、何気なく図書館で借りてきたのがこの本との出会いでしたが、その後手元に置いておきたくて文庫版を購入したのでした。
大正時代に少しでも興味のある方には是非読んでいただきたい一冊です。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hinomalu VINE™ メンバー
形式:文庫
佐藤春夫、谷崎潤一郎、芥川龍之介、永井荷風の作品が最も頻繁に登場する。
全編通して春夫の「美しい町」がよく取り沙汰されているように思えた。
「幻影」「映画」「水」「支那趣味」「異国趣味」「路地」「花」
などをキーワードに色々な作家の作品や人柄や当時の事象が取り上げられている。

元々は季刊誌に連載したものらしく、それぞれの章の内容が重なる場合も多々ある。
しかし、それが音楽の繰り返しのように、読者を「雰囲気」に誘っていく。

春夫や芥川のことを知っている人が読んでも面白いし、知らずに読んでも、もちろん楽しめる。

このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ringmoo トップ500レビュアー
形式:文庫
作者の視点は、「隅田川」であり「露地」であり「水の都」です。
それらは、すべて明治の時代に「山の手」が登場し、西洋化の波の中、都市化が推し進められたものに対するアンチテーゼです。
そして、この大正期の作家たち(佐藤春夫、谷崎潤一郎、芥川龍之介、永井荷風・・・)は、そうした明治の対概念として「江戸情緒」に復帰しようとはせず、そこを通り越してしまい「幻影の世界」を築き上げていると考えます。

佐藤春夫の「美しい町」をベースに、そこで語られる「町」はリアリスムではなくメルヘンの「町」であり、それは「ユートピア」なのだとします。
そうした「幻影」とも言うべき「町」は、汚染されたしまった「隅田川」の再構成として生まれますが、現実の或いは過去の「隅田川」ではなく、理想としての「隅田川」として登場します。

この「幻影」の話は、様々なところへも飛び火し、映画(活動写真)や探偵小説(推理小説)にも至り、そこに於けるこうした大正期の作家達の関わり合いも楽しく知ることが出来ます。

この本を読んで一番の収穫は、今まで理解出来なかった佐藤春夫と言う作家を捕まえられたような気がしたことと、かつて読んだ作品をもう一度読み直したいと言う気になったと言うことでしょう。
と同時に、この作者の視点のユニークさと、その世界にぐんぐん引き込んで行く筆力に圧倒されました。
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