大橋トリオ

 

アルバム『I Got Rhythm?』インタビュー

大橋トリオ

 心地良く気持ちをアゲる音楽。大橋トリオ、待望のメジャー1stアルバム『I Got Rhythm?』を一言で形容するなら、多分、そんな言葉がふさわしいような気がする。

 小泉今日子や持田香織、信近エリやカコイミクといった女性シンガーへの楽曲提供やプロデュース、『余命1ヶ月の花嫁』を始めとす る数々の映画音楽などもてがける大橋好規。その大橋氏のシンガー・ソングライター・プロジェクトである大橋トリオが今回アルバムのテーマに掲げたのは、“ダンス”。ジャズを軸に、フォーク、カントリー、ロック、ポップス、クラシックなどなど。さまざまな音楽の要素を飲み込んだシンプルで穏やかなヴォーカル・ミュージックを信条とする大橋トリオと、“ダンス“。一瞬、「?」と誰もが思ってしまう組み合わせだが、そこは大橋トリオ。巷のダンスとは明らかに一線を画した……聞いているうちにいつの間にか自然と心地良く身体が揺れ出してしまう……そんな、甘く柔かに弾む歌声と旋律とリズムが溢れ出す、極上の快楽ダンス・アルバムに仕上がった。


「大橋トリオと“ダンス”っていうテーマは、僕の中でも対極のイメージがあるんですよね。その意味でも、“ダンス”を意識して作ったらどんなものが出来るかなっていう、言葉的なギャップも面白いかなって。とはいえ、“ダンス”にしばられるつもりはまったくなくて。そしたら幅広い意味での“ダンス”になったっていう(笑)。きっかけはライヴのお客さん……僕のライヴは結構お客さんがわりと黙って聞いてるのかなっていうイメージがあるんですけど、そういう方に向けて、(ライヴで披露するなら)アゲ目の曲が多い方が親切かな、と思ったんですよ。(ライヴを観ながら)もっと身体が揺れるとか、手拍子が出来るとか。まぁ、そうなればベストだけど、実際はそれぞれの自由というか、じっと見ててもらっても別にいいわけですからね」

 洋楽のように、耳触りがとびきりスムースでありながら、邦楽ならではのノスタルジックでメロディアスな温かさも感じる。だから 邦楽リスナーはもちろん、大橋トリオの楽曲は洋楽リスナーからの支持も絶大。今作『I Got Rhythm?』に貫かれたシンプルで繊細なアコースティック・サウンドの抜群のセンスとともに、ナチュラルな英語詞と同じ温度感とテンションでさらりと歌い奏でられる日本語詞の雰囲気の良さもまた、大橋トリオの大きな魅力だ。

「歌詞に関しては……音がすべて、と思ってるわけでもないんですけど、詞の雰囲気や世界観がちゃんとあれば、言葉の綺麗さだけでも成り立つのかなとは思っていて。まぁ、英語で歌うのは趣味なんで、趣味が高じてって感じですね(笑)。メロディ自体は、これは日本語詞用の曲、これは英語詞用の曲って感じで最初から決めて作ってるんです。英語詞と日本語詞の決め手はバランス、ですね。英語詞の曲を作ったから次は日本語詞の曲を作る、って感じのバランスですけど (笑)」

 これまでの作品でも、ほとんどの楽器を自身で演奏してきた大橋氏。今作でもピアノとギター、ベース以外にも、大半のドラムを自身で演奏。さらに今回はミックスも彼自身が担当。おかげで、今までの作品以上に「自分の好きな方向のサウンド」を追求することが出来たと語る。

「演奏クオリティとしては、ほぼ全部を自分で弾いてるっていう部分もあるから、高いとは思ってないんです。その楽器のスペシャリストに演奏してもらえば、(技術的には)もっとうまいものにはなると思うんです。だけど、そこはあえて生っぽさで押そうっていう感覚なんですよね。僕にとっていちばん大事なのは、“生演奏であること”。リスナーとしては打ち込みの曲も好きなんですけど、(自分がやる音楽に関しては)打ち込みはもういいかな、っていうか。完全に人間が出来る範疇においてどこまで出来るかっていう、僕はそういうものの方が格好いいかなって思うんですよね。生演奏の温度感とか、演奏者それぞれの違いとか、技術とか。生演奏の方がそういう人間味が出ますからね。それにデジタルが主流のこのご時世、人と違うことも、ね(笑)」

 前半では、ワクワクと心をスウィングさせ、後半では、頬を寄せて踊るようなロマンティックな世界が広がる『I Got Rhythm?』。 スタンダードの名曲を思わせるアルバム・タイトルでありながら、文末につけられた「?」。この辺りのチャーミングなヒネリに大橋トリオさを感じずにはいられないこのアルバムには、フジテレビ系ドラマ『恋時雨』のテーマソング「僕と月のワルツ」も収録。音楽通も、そうじゃない人も。男も女も、大人も子供も。『I Got Rhythm?』はきっと、あらゆる人の心をロマンティックにスウィングさせてくれる一枚になるんじゃないだろうか。


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バイオグラフィー

4歳よりピアノを始め、その後JAZZピアノを学ぶ為に音楽大学へ進学。
卒業後、映画『この世の外へ~クラブ進駐軍~』(阪本順治監督)に、ピアノ演奏、ビッグバンドアレンジで参加。
そしてあらゆる楽器をこなすマルチプレイヤーとして数々の映画/CM音楽、楽曲提供/アレンジ/サポートなど行う。
2007年にはインディーよりALBUM『PRETAPORTER』2008年『THIS IS MUSIC』をリリース。2008年『ジャージの二人』そして2009年5月には大ヒットを記録した『余命一ヶ月の花嫁』の映画音楽も手掛ける。
同年同月に満を持してavex・rhythm zoneよりメジャー・デビュー。

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