昭和18年11月、戦時下の東京にタイ、ビルマ、インド、フィリピン、中国、満州国の六首脳が集まり、大東亜会議が開催された。史上初めて一同に会したアジア諸国の代表が「白人支配からの解放」を高らかに謳いあげた時、日本の戦争は、欧米帝国主義を模倣して権益を追求する侵略戦争から、アジア民族解放の大義ある戦争へと大きく性質を変えたのであった――。
本書は、戦況が思わしくない時期に突然開催された大東亜会議の真相について、当事者の証言をもとに丹念に検証した画期的労作である。戦後の呪縛ともいうべき“東京裁判史観”の虚偽を正し、日本にとって、アジア諸国にとっての戦争の意義を明らかにする。大東亜会議は「アジアの傀儡を集めた茶番劇」ではけっしてなかったのだ。
本書は91年文藝春秋刊『黎明の世紀』に大幅な加筆と修正を加えたもの。文芸評論家である福田和也氏との特別対談も収録。
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本書では、1943年11月、東京で開催された大東亜会議の日程を時系列で追いながら、ここに参集した6人の「大東亜」の指導者たち(とスカルノ)の足跡を、本人の肉声や素顔を知る日本人らの証言も交えながら描出している。自民族の独立自尊をかけ、文字通り体を張っての奮闘を演じた彼らの実像を知るにつけ、単に「日本軍国主義の傀儡」といった形容で済ませることがかえって侮辱に等しいことが、多くの読者にも感得できるのではないか。彼らはいずれも、知的・精神的にもっとタフで有能な人々だった。
大東亜戦争は「自存自衛」の戦いから、アジア開放を掲げた大義ある戦争へと変質を遂げた・・という本書を締めくくる著者の結論に対しては、なお議論の余地もあると思うが、ふんだんなエピソードの盛り込まれた、なかなか読み応えのある本であることは確かだと思う。
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