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大杉榮 自由への疾走 (岩波現代文庫)
 
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大杉榮 自由への疾走 (岩波現代文庫) [文庫]

鎌田 慧
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

「思想に自由あれ.しかもまた行為にも自由あれ.そしてさらにまた動機にも自由あれ.」アナキストとして自由奔放に生き,日本軍国主義に虐殺された男,大杉榮.思想家として,行動する社会主義者として,日本近代に多大な影響を与えた大杉榮の鮮烈な生涯を,丹念な取材と新たな資料を駆使してダイナミックに描く.

内容(「BOOK」データベースより)

「思想に自由あれ。しかしまた行為にも自由あれ。そしてさらにはまた動機にも自由あれ。」アナキストとして自由奔放に生き、日本軍国主義に虐殺された男、大杉栄。思想家として、行動する社会主義者として、日本近代に多大な影響を与えた大杉栄の鮮烈な生涯を、丹念な取材と新たな資料を駆使してダイナミックに描く。

登録情報

  • 文庫: 521ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2003/3/14)
  • ISBN-10: 4006030789
  • ISBN-13: 978-4006030780
  • 発売日: 2003/3/14
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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By TaroTaro トップ500レビュアー
形式:文庫
97年岩波書店から単行本として刊行された作品の文庫版。

大杉栄に関する多くの文献を検証、読み解くことによって、大杉栄の思想の根底にあるものを掘り下げ、その人物像を描き出そうとする「評伝」作品。

筆者は、鎌田慧の信ずる主義、徹底した反権力思想を全面的に受け入れることができないのだが、発表される作品には信頼を置いている。

ノンフィクション作家として長く活動しながら、労働者(弱者)からの視点、反権力の視点がまったくぶれず、足で稼いだ丹念な取材、多数の文献の検証から描き出される作品を発表しているからだ。裏を返せば、時代の変化や流れを読み取れない(あるいはあえて背を向ける)、連帯の思想に囚われた頑迷な作家といえるのかもしれないが、一貫した視点を持ち続けるというのは大事なことだと思うし、こういった時代だからこそ必要といえる貴重な作家だと思う。

筆者は、「評伝」というのは、取材や文献の検証が徹底されていれば、そこから導き出される人物像をどう描くかは、作者に与えられた特権であり、たとえそうやって描かれた人物像が、読み手である筆者の考え(印象)と異なっていても、それは優れた評伝であると思っている。

本書においても、著者が文献の一言一句まで丁寧に読み込み、書かれていることばかりではなく、その裏に隠されたものを読み取ろうとしていることが伝わってくる。著者ならではの力作だ。

最終第9章「疑罔」では、大杉栄、伊藤野枝、橘宗一が虐殺された事件の真相に迫ろうとしている。そこで、著者は(筆者にとっては)思いもよらない推測を“最後に”導き出している。事件における「甘粕大尉」の位置付けだ。それはちょっとどうかな、とも思ったが、筆者にはそれに反論する根拠がないこと、著者がその根拠を充分示していることから、ひとつの推測可能な真相として受け入れた。

「ひとりの物書きにとっても、大杉の自由と生の拡充にむかった精神の軌跡は、孤立してなお連帯を信じて書くための大いなる励ましとなっている」
これは、文庫版あとがきの最後を締め括る文章だが、「孤立して」という言葉が印象に残った。

このあとがきは03年に書かれたものだが、これは、社会情勢の変化、労働者の意識の変化などによって、鎌田慧の信ずる連帯の思想が衰退の一途を辿り、彼自身が孤立感を深め時代から取り残されそうになってもなお連帯を信じて書き続ける、という悲壮な決意表明なのだろう。
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19 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
“自由を求めて国家権力と戦った悲劇の英雄”
 本書を通して浮かび上がってくる大杉栄の人物像を簡単にまとめるとこうなるだろう。それは、大逆事件のシーンから説き起こし、甘粕事件及びその後日談でしめくくるというストーリー構成から如実にうかがえる。

 しかし、大杉とはそんな生真面目な男だったのだろうか? 「反権力」という分かりやすい図式に押し込められてしまい、自らに横溢するエネルギーを打ち上げ花火のようにパーッと爆発させる破天荒な彼の姿が見えてこない。「自由」という言葉にしても、鎌田氏が使うと陳腐な正義に転化してしまう。せっかく魅力的なタイトルをつけているのに、この言葉に込められたはずの疾走する躍動感が全く伝わってこない。
 資料を丹念に調べ上げた努力ち?大いに買う。だが、鎌田氏の筆致は硬くて息苦しい。社会悪の追求はできても、人間そのものの面白さを生き生きと活写するのには向いていないのではなかろうか。

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By hiraku トップ1000レビュアー
形式:単行本
鎌田慧の「大杉栄 自由への疾走」を読了。アナーキスト大杉栄の一生をドキュメンタリとして扱う。社会主義者、アナーキストとしか認知していなかった彼の人物像が浮かび上がる。軍国少年からアナーキストへの変貌。社会とのかかわりが濃密な筆で描かれている。確かに大杉栄の人物は理解でき、その周辺にいた社会主義者たちの関わりも理解できた。しかしながら消化不良。もっと大杉栄は生き生きとしていたはず。自由への疾走との副題が物悲しい。もっと自由を求めた彼の姿を読みたかった。
この欲求が結構強いので、少し深堀していこうと思う。
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